イタリアから新星来日/バローロの「トレディベッリ」&ブルネッロの「ラ・セレーナ」

BB&Rのイタリアワインを担当するデイヴィッド・ベリー・グリーンは「クラシックなファインワイン」を探すため、ピエモンテに在住している。11月に、新星の2人と共に来日した。バローロの「トレディベッリ」からはニコラ・オベルト、ブルネッロの「ラ・セレーナ」からはアンドレア・マンテンゴーリ。若い世代の勢いが感じられた。

 

<トレディベッリ>

トレディベッリの拠点は、バローロ北西部ラ・モッラ地区のベッリにある。ワイナリーの名は「ベッリの3人」という意味で、ニコラと父、叔父の3名を表しているそうだ。父は35年間ずっと、同じラ・モッラにあるレナート・ラッティでワイン造りをしていた人物で、ブローカーに務めていたニコラは、現在父から造りの教えを受けているところ。

畑はすべてラ・モッラ内で、ベッリに5ha、銘醸地のロッケ・ディ・アヌンチアータに1.5haを所有し、カパノットでは1.2haを借りている。ロッケ・ディ・アヌンチアータの畑は代々所有しているが、かつてはフランチェスコ・リナルディやレナート・ラッティに葡萄を販売し、1989年から2010年までは、レナート・ラッティに貸していたものだ。

実はニコラは、10代半ばに父からワイン造りの道へと誘いを受けたが、友人や知人からもらったワインを販売し学費に当てていた経験から、ブローカーになった。しかし、2008年に父と叔父のプロジェクトを知り、有機栽培で造りは伝統的に行う方針に賛同し、2011年から参画すると決めた。

1990年より以前は、伝統的な造りが当たり前だったが、次第に収穫量を抑えて醸造においても出来る限り抽出を行い、更に新樽で熟成させるスタイルがスポットを浴びるようになった。しかし「そういった凝縮されたワインより、バランスのとれたワインのほうが品質が高い」。それと同時に、ラ・モッラならではの特徴を純粋に表現できると考えている。

「バローロをブルゴーニュとすれば、ラ・モッラはシャンボール・ミュジニーだと思う」と、ニコラ。ソフトで寛容な様を、共通点としてみているのだ。

バルベラ・ダルバ 2014

コンクリートとステンレスタンクで6か月熟成。上品な香りと味わいで、とてもなめらかな食感。酸もきれいにバランスし、若々しくクランチーさもある。

バローロ 2011

酒母を造り醗酵させ、マセレーションは13日。20hlのアリエ産と25hlのスロベニアンオークで24か月熟成。暑い年らしい厚みのある香りだか、まだ閉じている。味わいは、テクスチャーがしなやかでとてもきれい。ラ・モッラらしさが全面に感じられる。

バローロ 1998

参考品として、アヌンチアータの葡萄を用いた父の作品を披露してくれた。ドライフルーツやスパイスなどの複雑な香りで、優雅な味わい、そして幾分の若さも感じられた。

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