「イタリアワインガイドの眼」今年リリースされる注目のイタリアワイン by宮嶋 勲

イタリア各地での2015 年の試飲をベースに、2016 年にリリースされる予定のイタリアワインを紹介させていただく。

 

ここのところイタリアは毎年ドラスティックに気候が変化していて、極端なヴィンテージが続いている。難しかったヴィンテージとしては、雨にたたられた2002、猛暑の2003 が記憶に新しいが、2014 と2015 はそれぞれをさらに上回る極端さだった。

 

トレンティーノ地方の山に囲まれた葡萄畑

トレンティーノ地方の山に囲まれた葡萄畑

2014 はとりあえず雨が多くて、夏はどこに行っても雨が降っていた印象がある。冷夏が観光業にも悪い影響を及ぼしたから、相当深刻である。特に北部は酷く2002 以上に難しいヴィンテージだったと語る生産者も多い。一転して2015 は猛暑のヴィンテージで、6 月後半から気温がぐんぐん上昇した。結局7 月は1800 年以降最も暑かったそうで、平均温度が例年よりも3.5℃も高かった。8 月も暑かったが、幸い8 月後半に少し雨が降ったので2003 のようにブドウが干上がってしまうことは防げた。そして最大の違いは12 年の間に生産者が異常気象に慣れて、かなり極端なヴィンテージが襲ってきても、それに対応する準備ができていることだ。

 

ポンペイの葡萄畑

ポンペイの葡萄畑

雨の多いヴィンテージは、摘房を増やしてブドウの健康状態を守り、収穫量を落としてより凝縮感を得る。昔のように一定の時期になると自動的に除葉するということはせずに、暑いヴィンテージは葉を残して房を守る。これらはほんの一例だが、このように気象変化に応じて適切な栽培上の対応ができるようになったことにより、すでにリリースされつつある2014 も予想以上の出来栄えで、力強さはないものの、フレッシュで飲みやすいワインが多い。

 

2015 に関しては雨が少なく、ブドウの健康状態が完璧であったため、グレート・ヴィンテージと囃す声さえある。タンクから試飲した印象では、白ワインに関しては果実味豊かで、若くから開いたヴィンテージとなるだろう。赤ワインは凝縮感があり、力強いものが多い。それでは、州別に印象に残ったワインを紹介していこう。(I. Miyajima)

つづく/これ以降の内容(ヴァッレ・ダオスタからサルデーニャまで州別の解説と注目のアイテムなど)につきましては、「ウォンズ」本誌「1月号」P.21〜32をご覧下さい。WANDS本誌の購入&購読はこちらから

画像:アルト・アディジェ世界最大の葡萄の樹 Versoaln

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