品質とテロワールを理解する人のためのシャンパーニュ「ジャクソン」のシケ氏来日

ノン・ヴィンテージのキュヴェが「#700」シリーズで、ヴィンテージは単一畑のみというシンプルなポートフォリオで、生産数も少ないネゴシアン・マニピュラン「ジャクソン」から、ヴァンパッシオンの招聘でオーナーのジャン=エルヴェ・シケ氏が来日した。

 

ジャクソンの本拠地は、ヴァレ・ド・ラ・マルヌのディジィにあり、25年前にジャン=エルヴェ&ローラン・シケ兄弟が、このメゾンを引き継いだ。その時、銘柄の見直しと生産量の半減を決めた。「自分たちが畑を所有している村だけ、つまりコントロールできるところだけからぶどうを購入することにした」という。栽培は有機的に行い、収穫量も制限している。搾汁率も考えれば、最終的にはブルゴーニュのグラン・クリュと同じ程度の量しか使っていない計算になる。

造りにも、いくつものこだわりがある。圧搾は、すべて自社の醸造所で垂直式プレスで行う。「カビが少しでも入っていると味わいが壊れてしまうから、すべてを自分で管理する。また、垂直式プレスのほうが純粋な果汁を得られる」。酸化防止は、SO2はほんの少量で主にドライアイスを使う。SO2が多いと培養酵母を使用しなければならなくなるからだ。

デブルバージュは一般的には酵素を用いるが、ここではまったく使用しない。発酵から熟成まですべて大樽で、バトナージュも行う。通常、10月から発酵が始まり、1、2月にマロラクティックが起こるが、自然にまかせている。ジャクソンにとってもっとも重要なのは「まず美味しい白ワインを造ること」。翌年9月まで、シュール・リーを続ける。ティーラージュ前に、フィルター、ファイニング、冷却処理も行わない。「外気温が低いので、シュール・リーの間に酒石酸を含めて自然に落ちる。悪い成分も雑菌もない、よいぶどうだけを使っているからこそできることで、ブルゴーニュでも同じだ。ただ、シャンパーニュでは極めて稀だと思う」と、シケ氏。

また、ドザージュは多くて3.5g/lとどの銘柄も極めて少ない。「若干の還元臭を消すだけの目的で、甘くするためではない」という。

兄弟で多くの変革を成し遂げた結果、「品質、テロワールを理解してくれる人だけのシャンパーニュ」というイメージが確立された。

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