ホワイトスピリッツの食中酒提案はじまる

角ハイボールに代表されるウイスキーハイボールの定着を受けて、これまで焼酎ぐらいだったホワイトスピリッツの食中酒提案が、輸入スピリッツでも広がる気配がある。

スピリッツにライムやレモンを搾ってソーダでアップさせるリッキー提案が、様々な食シーンと連動したフードペアリングによってアレンジが加えられ、息を吹き返しつつあるようにみえる。4月からの『角瓶』の値上げを控え、“角ハイボール”だけに頼らない新たな飲み方提案を模索する飲食店にとっても強い味方となりそうだ。

 

サントリーが“ジントニ”提案

ジントニックは日本バーテンダー協会(NBA)のカクテルランキングにおいて、2位マティーニ、3位ギムレット、4位モヒート、5位サイドカーを抑え、10年連続で不動の1位に君臨しており、日本で最も飲まれているカクテルといえる。ただ、ジントニックといえば、食事の前に胃を刺激する食前酒として、または食事の後に口をサッパリさせる食後酒として飲まれるのが一般的だった。これを食中酒としてアレンジし、サントリーが肉業態で展開している肉専用サワーが“ジントニ”である。そのネーミングはロンドンドライジン『ビーフィーター』のブランドストーリーでもある「BEEF+EATER」(肉を食べる人)に因んで「ジンと肉(ニク)」をもじって考案された。

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牛カルビ焼肉と“ジントニ”のマッチング

レシピは『ビーフィーター』(abv47%)をベースに、1対5の割合でトニックを使用し、さらにレモン半分を搾り入れ、粗挽きの黒胡椒(ミニョネット)を振り掛け、専用ジョッキで提供するというもの。これでアルコール度数はビールとほぼ同じ5~6%となる。大きめの専用ジョッキ(600ml)を用い、“たっぷり感”を演出。巷で人気の“なみなみスパークリング”や“こぼれ寿司”など、目に見えるお得感を求める消費者心理をくすぐる提案といえる。

東京・芝大門のホルモン『在市』では、看板商品である赤身肉とホルモンを秘伝のタレに混ぜて鉄板で焼く「ごちゃまぜ焼き」との相性を訴求し、1杯600円で提供。「少し脂身の多い肉との相性がいい。角ハイボールは脂をさっぱりと洗い流す感じなのに対して、ジントニではトニックの甘さと肉の甘みで相乗効果が生まれ、ワインのマリアージュに近い味わいになる」という。ついつい飲み過ぎてしまう常連客も多いようだ。

 

サッポロが“ラムハイ”提案

一方、サッポロビールが『バカルディ』ラムをベースにしたハイボール提案として展開するのが“ラムハイ”である。

レシピは専用ジョッキ(420ml)に氷をたっぷり入れ、『バカルディスペリオール』(abv40%)に、1対4の割合でソーダを注ぎ、カットレモン8分の1を搾り入れるだけといたってシンプルだ。

東京・西新宿の肉バル『FIRE CAMP』では昨年9月の開店以来、“ラムハイ”を提案して、1日平均10杯を売り上げている。

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“ラムハイ”を手に、比嘉拓人店長

比嘉拓人店長によれば「最初の1杯は生ビール、2杯目以降はラムハイを飲み続ける人が増えている。スピリッツは健康にいいというイメージがあり、肉を食べながらも糖質や脂質など摂取カロリーを気にせず飲めるからではないか」とみている。

バカルディラムについては「ここ数年来のモヒートブームで認知度が高く、洗練されたイメージから若者や女性でもちょっと飲んで見ようという気にさせる。モヒートでは甘みを加えているが、ラムハイは甘くない。ラム特有の甘い香りはあるがクセもないのでサッパリして、どんな食事にも合わせやすい。お店としても料理の味付けの幅を増やせる利点がある」という。価格は1杯500円で提供。グレープフルーツやキウイなどのアレンジメニューもあるが、レモンが一番人気という。

「国産和牛やアンガス牛のグリルとスペアリブが看板商品。おいしく飲んで食べて代謝もよくなってキレイになれるといった提案が今の時代にはマッチしている」と付け加えた。(A. Horiguchi)

『ホルモン在市』東京都港区芝大門1‐2‐8 営業時間11:30~14:00 17:00~24:00(不定休)。30坪・50席。

『FIRE CAMP』:東京都新宿区西新宿7-14-12ペアレンツビル1F 営業時間17:00~24:00(年中無休)。20坪・48席。

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