フレッシュ&フルーティ 産地と品種の多様性をアピールする “VINHO VERDE” ヴィーニョ・ヴェルデ

世界のワイン市場で広く親しまれ、ポルトガルを代表するスティルワインといえば、真っ先に名前が挙がるのがVinho Verde(ヴィーニョ・ヴェルデ)だろう。Vinhoは言うまでもなくワイン、Verdeは緑を意味している。この“緑”は本来、このワインの生産地域が起伏に富み緑豊かな自然に恵まれていることに由来しているのだというが、それと同時に、ヴィーニョ・ヴェルデの“緑”は、フレッシュ&フルーティで軽快な味わいの辛口ワインのイメージともダブっている。カジュアルで親しみやすく、手頃な価格で手にすることができるワインということでこれまでも世界的に多くのファンを集めてきた。しかし、ヴィーニョ・ヴェルデには赤ワインやロゼワインもあるし、近年は適地適品種の栽培や低収量による凝縮度の高い葡萄を使い、樽発酵や樽熟成を行って、フレッシュさを損なうことなく長期熟成可能なワインもどんどん造られるようになってきた。

白・赤・ロゼいずれにも共通するヴィーニョ・ヴェルデの魅力はなんと言っても果実や花の香りが豊かで、ボディが軽め。アルヴァリーニョ種を使ったワインを別とすれば、一般にアルコール度数も8~11.5%と低い。気軽に楽しめ、サラダや魚貝類、白身魚などとの相性に勝れていることだ。寿司をはじめとして和食とも幅広くマッチングするので、日本でももっともっと愛飲されてよいワインだろう。(M. Yoshino)

つづく/これ以降の内容(多様性をもたらす円形劇場のような地形/ユニークな固有品種)につきましては、「ウォンズ」本誌「3月号」P.34〜36をご覧下さい。WANDS本誌の購入&購読はこちらから

WANDSメルマガ登録

関連記事

ページ上部へ戻る