ボルドー・シャトーとのコラボを進めるJ.J.モルチェ社

ボルドーに本拠を構えるネゴシアン、J.J. モルチェのジェローム・フォジェール社長が来日し、同社の新しい取組みついて試飲を交えながら説明した。

1889 年創業のJ.J. モルチェ社は、現社長ジェローム・フォジェール氏で5代目( 社長としては6代目)。現在は、① J.J. モルチェのブランド名を冠した地区名ほかのワイン、②プティ・シャトーおよびミドルレンジのシャトーワイン、③約300のグラン・クリュ・クラッセシャトーのプリムール、④自社がストックしているグラン・クリュ・クラッセのシャトーワインという4つのカテゴリのワインを取扱い、フランス国内のほか世界45か国の市場へワインを販売している。永年の信頼関係に基づいて、1989 年に明治屋が買収し、現在に至るまで明治屋グループの一員として活動している。

現在、J.J. モルチェが展開している新しい取組の一つが、優良シャトーとのコラボレーション。優れた品質を持つボルドー各地のシャトーと独自のラベルデザインや仕様を企画し、ラベルにJ.J. モルチェ社の名を記して、責任を持って販売するシャトーワインの開発だ。J.J. モルチェ社が全量を責任をもって販売することにより、優れた造り手を保護、育成していくことにつながるという。そうしたコラボレーション関係をもつシャトーは現在、20~25 シャトー。この日、試飲に供されたサンテミリオン・グラン・クリュ「Ch. Louvie 2013」もその一つで、J.J. モルチェが全量買い上げている。4haの畑で収穫されたぶどう(メルロ80%、カベルネ・フラン20%)を使い、オーク樽(新樽比率20%)で12~18 か月熟成されたこのワインは、テクスチャーの滑らかに優れ、バランスのとれた味わいが印象的だ。参考価格は3500 円(税抜き)。

marquisdetermもう一つのトピックスは、マルゴーのメドック格付け第4級「シャトー・マルキ・ド・テルム」とのコラボレーション。同シャトーではすでに一般市場で販売されているセカンドラベル「ラ・クーロンヌ・マルキ・ド・テルヌ」があるが、これとは別にJ.J. モルチェ社独占取扱いのセカンドワイン「フレール・ド・マルキ・ド・テルム(Fleur de Marquis de Terme)」を2012年産から製造している。「従来のセカンドラベル、クーロンヌは複数のネゴスが購入することができるが、世界中の顧客から価格競争に陥らない独占ワインが欲しいとのリクエストがでている。しかし、シャトーはなかなかうんと言わない。今回の決定はグラン・クリュ・クラッセとしては異例とも言えるが、J.J. モルチェとの50 年以上にわたる信頼関係に基づき、コンセプトをきちんと説明し了解してもらうことにより作ってもらった。品質は、クーロンヌと変わらない。」とジェローム社長。年間1万2000 本~2万本を独占販売し、世界各国でエージェントを決めた上で販売する方針。フランス国内とベルギーでは1 年前からリリースされ、日本では5800 円( 税抜き) で明治屋ストアーを通じて限定販売が始まった。 (M. Yoshino)

WANDSメルマガ登録

関連記事

ページ上部へ戻る