「シャンパーニュと日本料理の融合」を満喫できる「銀座 奏(かなで)」が4月オープン

日本ではシャンパーニュの人気が高い。シャンパーニュの輸出国第4位であり、特に上級クラスの定着について、他国のワインジャーナリストからも「洗練された市場だ」と驚かれる。今では、寿司、天ぷら、割烹、懐石料理店で、シャンパーニュを置いているところも増えた。しかし、シャンパーニュが主体の日本料理店、というコンセプトはこの「奏」が初めてだろう。

 

シャンパン・バーの草分け「サロン・ド・シャンパーニュ ヴィオニス」のオープンから12年が経過した。「10年目ぐらいから、もう1ランク上のものを、と考え始めていた」という、ソムリエの阿部誠が出した結論がこの店だ。ちょうど「シャンパーニュ」「日本料理」のどちらもが近年ユネスコの世界遺産に登録されたことも、よいきっかけになったようだ。

 

白木のカウンター10席のみのこの店に入り、何だか「潔さ」のようなものを感じた。

「融合の織りなすハーモニー」がコンセプトにあり、シャンパーニュと日本料理、あるいはフランスと日本の文化が融合する空間を念頭においているため、内装などにも両者がともに使われていて、うまい具合に解け合っていた。例えば、輪島塗の盆にリモージュの皿、あるいは小さな和食器、といった具合だ。

 

さて、ここで飲めるシャンパーニュだが、「日本料理と合わせる」ことが選択基準となっている。「日本酒で飲むところをシャンパーニュで置き換えると考えた。醤油や味噌などの調味料も使うので、例えば若いレコルタン・マニピュランのものではなく、熟成感や深みのあるものを選んでいる」という。「ヴィオニス」の場合にはシャンパーニュ全体から選び揃えているのに対し、「奏」では日本料理との相性のよさを基準に約150銘柄を選んだ。

阿部も顔を出すが、基本的には「ヴィオニス」や「東京ぶどう酒店」でお馴染みの佐藤麻衣がサーヴィスにあたる。

料理は、20年以上の経歴をもつ廣瀬友子が、阿部や佐藤からの多くの要望を受けながら日本料理の基本から脱線することのないように、ベストを尽くしたものが供される。10品の会席料理が準備されるが、24節季に合わせて内容を変えていく予定だという。

日本料理に使う素材の中には、ワインやシャンパーニュとの相性が悪いものも当然ある。数の子はじめ魚卵系は最も避けたいものの一例だ。しかし、そこを克服するために、日夜研究を積み重ねているようだ。大変そうだが、楽しそうでもある。「私たちは、色々と好きなことを言うので楽しいですが、シェフは大変ですね」と、佐藤は笑う。いくつか「お試し」をさせてもらったが、本当によく考えられていて関心した。

kanadehassun

「ドラモット ブラン・ド・ブラン ヴィンテージ2000」と「八寸」 少し温度を上げて供することで、子持ち昆布との相性がよくなるとわかったという。本当に生臭さはまったく出ず、プチプチとした食感と泡の共演を楽しめた。「八寸」の手前2品は、シャンパーニュのフレッシュな果実感に合わせて「桜鯛 清美と水菜の新芽巻き」「ふぐ白子と春山菜の天ぷら」。 奥3品は反対に、シャンパーニュの熟成感に合わせたもの。「花山葵と子持ち昆布の出し浸し」「苫小牧産白貝の桜蒸し 新生姜とともに」「筍の和牛肉鋳込み」

あまりここで書いてしまうとせっかく見いだした技を流布させてしまうことになるし、来店時の楽しみが減ってしまうから控えておこうと思う。(Y. Nagoshi)

トップ画像:食前の一口は、焼酎ベースの熟成梅酒「ゆめひびき」+ムニエ主体の「ユレ・フレール インヴィタシオン」

「銀座 奏」

 

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