ブルゴーニュ特集/ルシアン・ル・モワンヌ Lucien Le Moine

少し風変わりなムニー・サウマはまさに「育ての親」

 

1級と特級の畑だけのネゴシアン「ルシアン・ル・モワンヌ」のムニー・サウマは元シトー派の修道士だった。だから「ル・モワンヌ(修道士)」という命名だ。1銘柄で1樽から3樽ほどしか造らない。だから日本に入荷する数も限られ、6本だけのものもあれば、多くても96本ほどだという。

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<マイクロ・ネゴス>

ブルゴーニュでは、マイクロ・ネゴスと呼ばれる小さなネゴシアンが存在する。その多くは葡萄を購入し、自ら醸造と熟成に手を施す、というスタイルが増えているように思う。しかし、ここでは白も赤もプレスした後に樽につめた状態で購入している。

その理由を聞いて、こだわりがあればあるほど素材そのものである葡萄から手に入れたくなるはずだ、という考えを覆された。

「ワイン造りにおいて、醸造の役割は10%だけ。残りの90%は熟成によって生み出される。子供と同じで、醸造は出産のようなもの。熟成は教育に相当する」というのだ。「畑仕事が90%で、醸造は10%だ」という話はよく聞くが、こういう説明は初めて耳にした。

話をしていていくつかわかった。ムニー・サウマは優れた畑の葡萄しか購入しない。その畑のことを、ともすれば所有者よりも深く理解している。それぞれの栽培家がどのように葡萄を扱い、赤の場合はどのように醸造するか、熟知している先からしか買わない。

そして樽は特注品をあらかじめ渡しておき、樽に入った果汁なりワインがルシアン・ル・モワンヌに到着するというわけだ。(Y. Nagoshi)

つづき <長い樽熟成> <澱の重要性> <2013年ヴィンテージ> につきましては、ウォンズ5月号をご覧ください。ウォンズのご購入・ご購読はこちらから。

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