ブルゴーニュ特集/ ドメーヌ・デ・コント・ラフォン Domaine des Comtes Lafon

ムルソーの巨匠ドミニク・ラフォン健在

 

「ドメーヌ・デ・コント・ラフォン」の4代目ドミニク・ラフォンは、相変わらず笑顔が清々しい。マコネで手がける「レ・ゼリティエール・デュ・コント・ラフォン」だけでなく、個人的な「ドメーヌ・デ・ドミニク・ラフォン」、オリヴィエ・メールランとのジョイントによるプイィ・フュイッセ「シャトー・デ・カール」、遠くはオレゴンでコンサルタントする「イヴニング・ランド・ヴィンヤーズ」などで多忙を極めるが、独自の世界を築いているからだろうか。

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<6つの役者が勢揃い>

コント・ラフォンには2010年からムルソーの6つの花形役者が揃った。もともと所有している1級畑ペリエール、シャルム、ジュヌヴリエール、グット・ドールに加え、ブシェールとポリュゾーも造るようになったのだ。ドメーヌ・ルーロと共に投資家を募って交渉し、長期契約が成立した。それぞれの畑を比較しながら解説してもらった。

「ブシェール」は、「ジュヌヴリエール」の従兄弟のような存在。エレガントで、チャーミングで、フィネスがあり軽やか。収穫日が1日でも遅くなると途端に重くなってしまうので、適切な日に収穫しなければならない。間違いをするとワインにそのまま出てしまう。標高が高く表土が浅く、モンラッシェとシュヴァリエ・モンラッシェの関係に喩えれば、シュヴァリエにあたる。

「ジュヌヴリエール」はやはりエレガントでフィネスがあるが、少し標高が低いためより丸みや果実味の甘味を感じる。

「ポリュゾー」は、丘の低い位置にあり粘土質が多いから、パワーがありリッチでエネルギーがある。しかし酸もしっかり保てるので、ブシェールと違い収穫は待てる。後味のミネラリティーも素晴らしい。

「グット・ドール」は、ポリュゾーの従兄弟にあたる存在。同じぐらいのエネルギーがあるが、フィネスはポリュゾーのほうが上。

「シャルム」は、よりソフト。ただ、ラフォン所有のシャルムの区画は上方にあるからヘビーにはならない。極めてエレガント。

「ペリエール」についても成熟が早く進みやすいため、適切な収穫日を決めなければならない。エレガントでフィネスがあり、エネルギーも力もあるが軽やかさもある。力強い味わいだと感じても後味はエレガント。すべてのものを兼ね備えている。

ブシェールとジュヌヴリエールは、早く飲んでもよく、熟成もさせられる。しかしポリュゾーとシャルムは、早く飲み過ぎてしまうと真価を理解できないから要注意だ。(Y. Nagoshi)

つづき <白ワイン造りにおける変化> <温暖化の影響は> につきましては、ウォンズ5月号をご覧下さい。ウォンズのご購入・ご購読はこちらから。

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