特集 ビール新時代へ ”中元ギフト商戦”スタート

バラエティ化とパーソナル化のニーズに応えて品揃えも多彩に

百貨店のギフトセンターが開設し、中元商戦がスタートした。ビール各社とも定番とプレミアムを両輪に、バラエティ化とパーソナル化という顧客ニーズに応えたラインナップを強化し、さらにクラフトビールも加わり品揃えもより多彩になっている。

今中元期のビールギフトの計画はアサヒ102%、キリン120%、サントリー105%、サッポロ106%といずれも強気の姿勢だ。

サントリーがまとめた「プレミアムビールレポート」によれば、「プレミアムビールはその飲用経験の蓄積のよって、これまでの特別なハレの日から、休前日の普段飲みが広がっている」という。

そして、ビールギフト市場では定番ビールとプレミアムビールの構成比が2014年に逆転してプレミアムビールが昨年は57%となり、今年は60%にまで拡大すると推定。また、ビール市場全体でのプレミアムビールのシェアは昨年ややダウンしたが、今年は盛り返し、2014年並みの15.3%になると見ている。

今年1~3月のビール出荷量(ビール酒造組合調べ)は、前年比1%減(消費増税前後との比較は難しいので、2013年と比較するとほぼ前年並み)。4月は最長10日間という大型連休を控えた積み増しもあり、各社ともプラスとなったが、連休中は概ね好天に恵まれ、遠出する機会が増えたためか、ビールの実需は期待したほどではなかったようだ。大手各社とも「ビール強化」の戦略を鮮明にしているなかで、物足りなさもあるが、これからの最盛期の成り行きにかかっているといえる。その意味では中元商戦は「ビール回帰」「ビール復権」を占う、大きな試金石となるだろう。

今年も大手各社から昨年同様に、ギフト限定商品やバラエティ豊かな詰め合わせ商品が多数発売されるなど、消費者の多様なニーズを汲み取ろうとしている。「(ギフト商戦は)ブランドマーケティングの極み」(サントリービール社長水谷徹氏)といった位置づけは各社とも共通しており、プレミアムビール市場争奪の主戦場ともなっている。

なお、限定商品に対する需要の高まりを受け、「贈る前に自ら試したい」「手土産として持ち運びできる商品が欲しい」といった要望に応え、アサヒは店頭で購入後そのまま自宅に持ち帰れる4種詰め合わせやエクストラ瓶4本など、パーソナルギフトセットを拡充した。

また、ビール最盛期の入口となる「父の日」に向けて、サッポロは冷やすとヱビスビールのパッケージに描かれたネクタイと花の色が変わる「父の日デザイン缶」を新発売するなど、新たなアイデア商品も見られる。

サントリープレミアムビールレポート ビール類総市場(2016年ビール類総市場および各年のプレミアムビールシェアはサントリー推計)

サントリープレミアムビールレポート ビール類総市場(2016年ビール類総市場および各年のプレミアムビールシェアはサントリー推計)

 

“ボトルプレミアム”市場創出に動く

一方、中元商戦の幕開けとともに、夏の風物詩として、ビアガーデンがあちこちでオープンしている。おいしい樽生ビールを飲む機会がこれからどんどんと増えそうだ。ビール各社の主力ブランドのアンテナショップとしては、キリンの一番搾りガーデン(キリン)、サッポロの黒ラベルパーフェクトビアガーデンなどがすでにオープンしている。

ところで、ビールの容器別・用途別販売動向の経年変化を見ると、樽生ビールのウエートは年々、高まる傾向にある。一方で瓶は減少し、缶が増える傾 向にある。つまり、日常的に瓶ビールを飲む機会が段々と少なくなっている。確かに「家では缶ビール、外では樽生ビール」の飲用スタイルが定着しており、瓶 ビールを飲む機会はめっきり減っている。そして、瓶ビールは「非日常」化しつつある。

ギフトはいわば「非日常」性をどう演出するかにか かっている。そうした中で、“ボトルプレミアム”という世界観が創出されてくる可能性もある。キリンのグランドキリンやサントリーのマスターズドリーム、 アサヒも今中元期からドライプレミアム豊醸ブランドから限定醸造商品として、さらに素材や造りにこだわった、エクストラ瓶(310mlの専用瓶)で新市場 創造を目指す。今後、クラフトビールの広がりによって、“ボトルプレミアム”需要がさらに広がる可能性もある。(A. Horiguchi)

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ビールの容器別・用途別販売動向
ビール酒造組合調べ。単位:%
容器別 用途別
樽・タンク 業務用 家庭用
2000 32.0 48.1 19.9 36.8 63.2
2001 31.9 45.1 23.0 39.9 60.1
2002 31.2 43.6 25.2 41.8 58.2
2003 29.9 43.7 26.4 42.6 57.4
2004 28.1 44.2 27.7 43.4 56.6
2005 27.0 43.6 29.4 44.7 55.3
2006 25.6 44.4 30.0 44.9 55.1
2007 23.7 46.3 30.0 44.0 56.0
2008 23.2 45.4 31.4 45.6 54.4
2009 22.5 45.0 32.5 46.5 53.5
2010 21.6 45.2 33.2 47.0 53.0
2011 20.5 45.7 33.8 47.2 52.8
2012 19.7 45.9 34.4 47.5 52.5
2013 18.9 45.9 35.2 47.9 52.1
2014 18.2 46.3 35.5 47.8 52.2
2015 17.6 46.9 35.5 47.5 52.5
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