- 2016-7-1
- Wines, イタリア Italy
<プリマ・キュヴェからカボションまで>
「モンテ・ロッサ」の顔となるのはノン・ヴィンテージの「プリマ・キュヴェ」だ。シャルドネを85〜90%で、ピノ・ネーロ10%ほど、そして少量のピノ・ビアンコをブレンドする。およそ20%のリザーヴワインは、20年ほど前からソレラシステムで保存している。仕上げのドザージュは7g/l。「多くすると味わいが変わってしまうから」と、ブリュットは6.5〜8.5g/lの幅で調整している。
「ミッレジマートは、その年の気候が造ってくれるからもっと簡単にできる。でもプリマ・キュヴェはそうはいかない。だから、最優先して造るのはいつもこのキュヴェ」。複数の畑の葡萄をブレンドし、最低24か月の瓶熟成期間をもうけることで、フレッシュでエレガントな姿であることに加え、深みのある味わいを醸し出している。
一方、最高峰の「カボション ブリュット・ミッレジマート」は、ちょうど20周年にあたる1992年にリリースされた1987年が初ヴィンテージとなった。エマヌエーレの代になり、まず着手した新プロジェクトでもある。シャルドネ70%、ピノ・ネーロ30%で、250ℓの小樽にて醗酵を行い、瓶内熟成は最低36か月以上。現在2011年ヴィンテージがリリースされている。
宝石のカット法である「カボション」と名付け、ラベルデザインは宝石デザイナーとして知られるジャンマリア・ブチェラッティに依頼した。見るからに優雅なボトルだ。トーストのような香ばしさと熟した果実など、複雑性のあるふっくらとした香りで、味わいも厚みがあり、綺麗な酸とクリーミーな食感が印象的だ。
1987, 1989, 1990, 1992, 1994, 1995, 1997, 1998, 1999, 2000, 2003, 2004, 2005, 2009, 2011
これがカボションが造られた年だが「中でも最も記憶に残るカボションができたのは、1993, 1997, 1999, 2005, 2011年。特に2011年は複雑性とエレガンスが最もうまく表現できた」とエマヌエーレ。
実は2005年には、更にスペシャルなキュヴェをクリエイトした。「カボション・ステッラート・ブリュット2005」は、マグナム200本を含めて1400本のみの極少量のキュヴェで、母でモンテ・ロッサ創始者でもあるパオラへのオマージュとして造られた。
カボション同様の品種構成と造りだが、より収穫量と搾汁率も低い。また、規定が許す範囲でリザーヴワインをブレンドし、瓶内熟成9年を経ているため、より熟成感が華やかでゴージャスな香りと味わいだ。
次なる偉大なヴィンテージ2011年にも、何か特別なキュヴェが準備されているのかもしれない。(Y. Nagoshi)
輸入元:モンテ物産
冒頭の画像:モンテ・ロッサを一箱買うと面白い。ミュズレの丸い金属部分はビリヤードの玉を模していて、1から15の色々な番号がアトランダムに入っている。そして番号ごとに異なるメッセージも片隅に入っている。例えばviaggiare=旅する、ridere=笑う、giocare=遊ぶなど。エマヌエーレの遊び心からのアイデアで「人生は、祝い事が続くようなものでなくては」という思いも込められている。
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