シェリーを育てた国イギリスの老舗BB&Rが選ぶ上質シェリー

シェリーやポルトは、ワインの範疇にありながら少し特別な存在感がある。もちろん酒精強化ワインというぐらいだから、カテゴリーが異なる。けれどそれだけではなく、日常的な出会いが少ないので何をどう選べばよいのか少し迷うからかもしれない。そういう時は、セレクト・ショップへ足を運ぶ感覚で、シェリーの育ての親であるイギリスを覗いてみるのも一案だ。

 

BB&R ベリー・ブラザーズ&ラッドは、ご存知の通りイギリス最古のワイン&スピリッツ商で300年以上の歴史がある。本国のホームページでシェリーの欄を開くと、多くの銘柄がずらりと並ぶ。需要に応じてのことだろう。日本のBB&Rでは、その中から手頃な価格の銘柄を更に厳選している。3銘柄を試飲して、コストパフォーマンスの高さに笑みが漏れた。

 

どれもいわゆるPB商品でBB&Rのラベルが貼られているが、生産者の名前を見るとフィノとアモンティリャードはエミリオ・ルスタウで、ドライ・オロロソはバルバデーリョ。どちらもシェリー界の有名どころだ。

 

エミリオ・ルスタウは、詳しい方には言うまでもないが、あまりシェリーに明るくないワイン飲みでも興味津々のスターでもある。アルマセニスタと呼ばれる、代々受け継いだ熟成用の樽を所有する小さなボデガのひとつだったエミリオ・ルスタウが、他のアルマセニスタが所有する貴重で個性豊かなシェリーの瓶詰めも請け負うことにしたアルマセニスタ・シリーズは特に名高い。ワインでいえば各々のテロワールの特性をそのまま楽しめる単一畑的な、シェリーの単一家族キュヴェ、といったところだろうか。このアモンティリャードはそのひとつで、あるアルマセニスタによるBB&Rのためのスペシャル・ブレンドだ。

 

バルバデーリョは、1896年創立のエミリオ・ルスタウよりも更に老舗で、1821年以来ずっと家族経営を続けている。サンルーカ・デ・バラメダの最大のボデガで、自社畑はなんと800haも有している。

 

「ベリーズ フィノ ヘレス」

イーストや、グリーンオリーブ、青リンゴ、柚子ピールといった清々しい香り。本当にキリッとしたドライな味わいで、酸と塩っぽさが生き生きとして感じられる。快活で繊細なフィノの香りと味わいは、暑い季節の夕刻に疲れたからだをリフレッシュするのによいかもしれない。

 

「ベリーズ アモンティリャード ヘレス」

熟成させたフィノであるアモンティリャードらしい、繊細さと熟成感を兼ね備えている。ナッツやアプリコットなどのドライフルーツに、キャラメル的な香ばしさも感じられる。ドライながら甘みに似たなめらかさもあり、口中でも複雑な香りが広がり、より豊かで深みがある。単体でもよいが、ナッツやスモークハムなど香ばしいものがあると進みそうだ。

 

「ベリーズ ドライ オロロソ」

フィノ系のフロールの要素がない分、長期酸化熟成による重厚さが香りにも味わいにも顕著に表現されている。ナッツ、チョコレート、レーズン、キャラメルのような複雑で豊かな香りに、ボリューム感もある厚みのある味わいでロースティなニュアンスも感じられる。食後の一杯でもよいが、香ばしく焼いた人気の熟成肉にも合いそうだ。

 

それぞれタイプが異なるので、T.P.O.で飲み分けるのが面白そうだ。(Y. Nagoshi)

輸入元:BB&R ベリー・ブラザーズ&ラッド

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