マコン最古のビオディナミスト「ドメーヌ・ギュイモ・ミッシェル」

とても背の高いお嬢さんだった。

gmpersonあとで家族の写真を見たら両親がともにすらりとした長身で納得した。ソフィー・ギュイモ・ミッシェルはマコンのAOCヴィレ・クレセを造るドメーヌ・ギュイモ・ミッシェルの三代目オーナー。初来日だという。東京・西麻布で話を聞いた。

 

このドメーヌの歴史を輸入元のつくった詳細な資料をかいつまんで紹介する。

1982年に協同組合から独立してワイン造りをはじめた。ファースト・ヴィンテージは1985年。ブドウ畑はソフィーの両親(ピエレットとマルク)がピエレットの父から引き継いだ6.5haだった。ヴィレ村とクレセ村に挟まれたカンテーヌにある。ピエレットとマルクはモンペリエ大学の同窓でともに醸造を学んだ。そしてパリジャンのマルクがピエレットの生家にやってきて一緒に仕事を始めた。逸早くビオディナミ農法に着手し、1992年にデメテール認証をとる。その後、2013年にソフィーが当主になった。その際、蒸留器を購入してマールとフィーヌの製造にも乗り出した。

 

ブドウ畑は三つのブロックに分かれている。かつてはもっと散らばっていたが、ビオディナミ農法を有効にするため隣接する畑と土地交換をして三つにまとめた。1918年に植えた区画が最も古く、1960年代に植えたものがそれに次ぐ。1985年に植え替えた区画が最も新しい。畑は東向き斜面の粘土石灰質土壌。一部にミネラルを多く含んだ泥灰土が混ざっている。近くを流れるソーヌ川の秋の霧がこの畑のシャルドネに貴腐をもたらす。

 

バランスのとれたブドウを作るためにビオディナミ農法を採用した。ビオディナミの効果はてき面で、果実の完熟を待っても酸度の低下が少なくなった。たとえば「ヴィレ・クレセ・カンテーヌ2014」はアルコール分13.5%で酸度は4.3g/l(酒石酸換算6.6g/l)、pH3.0である。とっても上品できれいな酸が活きている。収穫は10月に入ってから開始する。100kmも北にあるコート・ドールより2週間近くも遅い。

 

収穫ブドウは除梗せずにニューマティック・プレス(空圧式圧搾機)で搾り、ステンレスタンクで果汁を清澄させた後、コンクリートタンクに移してアルコール発酵。天然酵母が動き出すのをじっと待つ。オーク樽は一切使わない。毎年、マロラクティック発酵を行っている。すべてのワインをボトリングの前にアサンブラージュして「ヴィレ・クレセ・カンテーヌ」という名の白ワインだけを造る。

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いま販売しているのは「ヴィレ・クレセ・カンテーヌ2014」。春先から暖かかったのでブドウの生育サイクルが平年より早かった。7月に気温が下がって少し速度が鈍ったので収穫は10月にずれ込んだ。柑橘類や青リンゴ、ミネラル、花の香りなど香りにヴォリュームがある。口当たりはフレッシュで味わいに厚みと複雑味がある。熟した果実の甘みはいずれ蜂蜜のような味わいに変化するのだろう。上品な酸味がとても心地よい。

 

おしまいに「マール・ド・ブルゴーニュ2012」を飲んだ。ソフィーがコニャックで実習をした時に蒸留酒に興味をもち、いずれ自分でも造りたいと思った。2013年にドメーヌを継いだ時に、早速、年来の思いを実現すべく年代物の蒸留器(ポットスチル)と熟成用のバリックを購入した。200kgのポマスを一回蒸留する。アカシアの木を燃した直火蒸留で53%のアルコール分を得た。これをバリックで熟成する。フィーヌも造ったがこちらは最低3年熟成でまだ商品化されていない。驚いたのはメタノールの含有量が800ppm未満だったこと。日本の規制値を簡単にクリアして輸入できたと輸入元・ヴァンクロスが言う。ビオディナミ農法で栽培するとブドウ果のペクチン含有量は減少するのだろうか。不思議だ。どなたか検証して戴けないでしょうか。(K.B.)

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