- 2015-8-26
- Wines, フランス France, ボルドー Bordeaux
「それから、もう一つ。今はボルドーの格付けシャトーはひとつとしてローヌに畑を所有していない。かつて1、2のボルドーのシャトーがこうした取組をしたことはあるはずだ。そして、原料もローヌの造り手と提携したり、ローヌのワインを買ってアサンブラージュしたりしていた。ただ、継続して造っているという話は聞かない。
しかし、フレイ家だけは例外で、ボルドーと北ローヌの両方にワイナリーを所有している。数量限定とはいえ毎年造れるのはカロリーヌだけ。彼女はいま活動の拠点をローヌに置き、ボルドーとの間を往復している。エヴィデンスという名前には、このワインがこうした自分自身のライフスタイルを“ 証明” するものだ、という思いも反映しているのでしょう」と、ポール・ジャブレとシャトー・ラ・ラギューヌ両方のワインについてアジア・オセアニア地域を担当するゲェンナェル・シェネさんは語る。
ボルドーとローヌのアサンブラージュについては、カロリーヌさんはいろいろトライを重ね、実は2 つのワインを造っている。一つは、ラ・ラギューヌとラ・シャペルのワインをそのままアッサンブラージュしたもの。このワインは“DUO” と呼ばれているが、わずか一樽、300 本だけ。フレイ家のプライベート・カマスター向けで、市販はされていない。
そして、コマーシャル・ベースで2010 年から毎年造られることになったのが“EVIDENCE” だ。アッサンブラージュに使われる葡萄はセカンドワイン、ムーラン・ド・ラ・ラギューンとクローズ・エルミタージュ。それぞれの畑で収穫、醸造、熟成を行った後、ポール・ジャブレのワイナリーでブレンドし、オーク樽でさらに12 か月の熟成を行っている。
ヴァン・ド・フランス規格で、品種表示は無いが、カベルネのしっかりとした骨格と甘さをもったシラーの果実風味が融合し、ミネラルとフレッシュ感あふれる味わいに仕上げられている。(M.Yoshino)
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