ルイ・ロデレール Louis Roedererの真髄を唎く ②リザーヴワイン編

4月半ばにルイ・ロデレールを訪問した際の、ヴァン・クレール試飲に続き、ここではリザーヴワインについてお伝えする。ブリュット・プルミエの品質を保つ宝のような存在だ。

 

<リザーヴワインは自社畑より>

まず、ジャン・バティスト・レカイヨンにリザーヴワインワインの考え方について話を聞いた。

ルイ・ロデレールでは、リザーヴワインはすべて自社畑の葡萄による。優れた場所に畑を持ち、自社畑比率が高いというアドヴァンテージがあってこそ成せる技だ。また、頑固とまで言いたくなる厳格さを持ち合わせたメゾンでもあると改めて感じる。

リザーヴワインは木製の大樽で寝かされており、ノン・マロラクティックでラッキングもしない。ラッキングは酸化を早めるため長期熟成可能性を損なうからだ。酸素との触れ合いは樽を通して行うだけで充分だという。

ただし、還元しすぎていると感じた場合にはラッキングを行う。とはいえ、基本的にリザーヴワインの樽には澱は残さない。澱による還元は、瓶内で行われればよいと考えているからだ。ここで求められているのは、ゆっくりとした熟成によるによる丸さ、牡蠣殻を感じるような塩味、ほのかなバニラなどの複雑さ、そしてスムーズさ、といった性質をワインに付与することだ。

 

<リザーヴワイン/ヴェルズィ2008、アヴィーズ2009>

ヴェルズィのピノ・ノワール2008年と、アヴィーズのシャルドネ2009年を試飲した。いずれも区画ごとに保管されている。「リザーヴワインのパワーを感じられるように、(この日の試飲に)ふたつを選んだ」という。

「シャルドネとピノ・ノワールの熟成によるアロマティック・プロファイルの違いがわかるはずだ。ピノ・ノワールはよりシダー、ベリー、ウッドのような香り。対してシャルドネは、アーモンド・パウダーやリースリングに似た香りが出てくる」。

ヴェルズィ2008年は、スムーズさが醸し出されていると共にフレッシュさも際立っていた。アプリコットやベリー系などの熟した果実、ドライフラワー、バニラなどの複雑な香り。そして、まろやかなテクスチャーで且つバックボーンがとてもしっかりとしていた。

アヴィーズ2009年は、確かにアーモンドやリースリングに似たペトロール的な香りがした。クリーミーなテクスチャーがあり、甘味に近いニュアンスが感じられ、もちろん芯は強いのだが全体的にリッチ。典型的な熟成したシャルドネの特徴が出ていた。

 

<リザーヴワインの内訳>

リザーヴワインの内訳は、シャルドネとピノ・ノワールがおよそ半々だ。

「ストラクチャーやパワーを与えたい年にはピノ・ノワールを多めに、甘味を加えたい年にはシャルドネを多めにブレンドする。よく成熟した年のベースワインはピノ・ノワールが多くなるので、リザーヴはシャルドネが多めに。それほど熟さなかった年のベースワインはシャルドネが多くなるので、リザーヴはピノ・ノワールを多めに用いる」。

だから、例えば2015年のように葡萄の熟度が高い年がベースワインとなる場合には、シャルドネのリザーヴワインを多めに使用することになる。「シャルドネは、年による差が少ないが、ピノ・ノワールは品質さが極端だ。ただ、ピノ・ノワールの熟成可能性は本当に素晴らしい」という。難しい品種だからこそ、ピノ・ノワールに心を砕く人が多いのだろう。ジャン・バティスト・レカイヨンもその一人だ。

(<2015年ヴィンテージ> <2015年の醸造> へ続く)

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