特集 米国西海岸のワイン/ナパ・ヴァレーの「今」を探してワイナリー巡りの旅に出た

ナパヴァレー・ヴィントナーズ日本事務所は昨年10 月1 日~ 11 月30 日までの2か月間、国内のホテル、レストラン、バーを対象とした「ナパヴァレー・ワイン・バイザグラス・プロモーション2015」を開催。このほど、その優勝店などを対象とした研修ツアー“エクスペリエンス・ナパヴァレー2016”を実施した。総勢21 名。

ナパにおける滞在期間は4泊5日、実質的には3日半という短い期間のなかでナパ・ヴァレー各地のワイナリーをめぐりながら、ナパ・ヴァレーワインの特徴とワイン造りの現況を学ぼうというこのツアーは超過密スケジュールで密度の濃いもの。それぞれ訪問先ごとに設定されたテーマをひとつひとつこなしていくと、参加者の誰もが最終日にはひとかどのナパ・ワイン通になっているという次第。しかも、かねてより乗ってみたいと思っていたナパ・トレイン展望車での生産者同行つき豪華ランチや、参加者自らがトライするウルトラプレミアムワインのブレンデイング・コンペなど遊び的要素もふんだんに盛り込まれているなど、ツアーの日程は入念かつ周到に準備されていた。

 

(中略)

 

ヒルサイドに拓かれたビバリー・ヒルズ「プリチャード・ヒル」

シルヴァラード・トレイルを北上し、ラザフォードから東へハイウエイ128 号線の山道を分け入っていくと、暫くしてレイク・ヘネシーが現れる。その水辺を左に眺めつつ通り過ぎ、くねくねとした細い枝道を分け入っていくと、ナパのヴァレーフロアを眼下に見下ろす高さのところどころに畑が出現する。畑のサインボードにはBryant Family、Chappellet、Colgin、Continuum、David Arthur、そしてOvid など今をときめく錚々たるワイナリーの名前が連なっている。そこが、いまオークヴィルのトカロン・ヴィンヤードとならんで、葡萄の取引価格がナパでも最も高いと言われるプリチャード・ヒルだ。

プリチャード・ヒルの名前は、1860 年代、この地に最初に葡萄畑を拓いたチャールズ・プリチャードに由来するが、今日のような名声を築いたのは1970 年代初頭にシャペレ夫妻がこの地で育まれたカベルネ・ソーヴィニヨンの魅力を世界に知らしめてからだ。

プリチャード・ヒルは正式なAVA 名称にはなっていないので、どこからどこまでが境界線なのかはっきりしない。しかし、著名な造り手の畑は標高1000 ~ 1600 mのあたりに集中している。海抜だけで言えば、2000 フィートを超えるところもあるアトラスピークやダイアモンドマウンテン、スプリングマウンテン、マウントヴィーダーなどの方がはるかに高地にある。しかもヒルサイドとはいえ、畑はアンジュレーションに富んではいるものの比較的なだらかな丘状台地に広がっている。

プリチャード・ヒルを誰でも羨むプリチャード・ヒルたらしめている要素とは何なのだろうか。

標高は霧のラインを超えているので、日中は比較的涼しく、夜は温暖。昼夜の寒暖差はヴァレーフロアほど大きくない。逆に雨がちな年であっても、日照は十分に確保される。さらに重要なのは、流紋岩や安山岩などの岩がごろごろとしている火山性の赤土土壌にあり、痩せて排水性に富んだこの土地では、平地なら優にエーカーあたり4トン以上は収穫されるのにここでは1~ 2トン程度しか収穫されない点だ。葡萄果はその分小さく、凝縮し独特のフレーヴァーがもたらされる。(M. Yoshino)

画像:プヒルリチャード・ヒルから望むオークヴィル

「中略部分」及び「つづき」(ナパ・ヴァレーを概括する、持続可能なワインづくりをめざして、グリーンランド・プロジェクトを実施するCliff Lede Vineyards、新星カルトワイナリー OVID、$50以下にも素晴らしいワインが!)は、ウォンズ7&8月合併号をご覧下さい。

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