日本ラム協会代表 SCREWDRIVER 海老沢忍氏に聞く

—現代社会では「コンパ経営」という本が日本の書店でも並ぶ時代です。時代は変わってもバーは最高の社交場ということに変わりはない。

それに加えて、西海岸のバーには、いわゆるIT長者といわれるリッチ層がたくさんいました。今はアメリカの景気が上向いているからかもしれませんが、IT企業がシリコンバレーからサンフランシスコに会社を移転して来るので、そういう人たちが非常にラフな格好でお酒を飲んでいる。いわば健康的な六本木ヒルズ族という感じです。

ショット単価などを見ても日本よりもかなり高いのですが、そんなのお構いなしで、相変わらずよく飲んでいる。それからバーもレストランも、とても自由な雰囲気で、いろいろな人が出入りして語り合っているのがとても印象的でした。

西海岸だけでなく、カリブでも金曜日の夜になると高級ホテルでなくてもプールサイドにバーを出してフライデーラムパンチパーティーといった企画があり、宿泊者にラムパンチを振舞います。いろいろな世界から来ているので、DJの合間にはどこの国から来たか分かるように呼びかけて、お互いが交流できるようにしています。その後、バーでゆっくり飲みながらコミュニケーションがはじまります。その時は彼らとは生きている世界地図が違うとつくづく感じる瞬間でした。

 

—翻って、日本でのラムビジネスの方向性については、どのようにお考えですか。

二つの側面があると考えています。一つはこれまでハードリカーを飲んで来た人に満足してもらえるようなラムバーをオーセンティックなところで提供すること。もう一つはクラフトビールなどもどんどんと出て来て、若い人もお酒に対する親和性というか、自然とクラフトスピリッツに目が向いて来ている中で、新しいエントリー層にラムの魅力を提供すること。この両側面にアプローチするには、ラムバーとしても両輪が大事だと考えています。

これまではスクリュードライバーでは、若い人を巻き込んでいくのに、夏場のビーチフェスや音楽フェスなどでバーを出店し、ラムカクテルを提供するイベント事業を行ってきましたが、それに加えて、渋谷に新しい店舗を展開します。

ここではカクテルとして漬け込みのラムパンチをメインに、熟成ラムもワンショット500円と価格を抑えて100本ぐらいの中から選べ、そのバラエティを楽しめるようにします。さらにフードや音楽を楽しめるお店づくりを目指します。9月にはグランドオープンさせる予定です。

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