“パーフェクトマルガリータ”を提案した『パトロン』

「パトロンはタオナラインとシュレッダーラインと呼ばれる2種類の製法の異なるテキーラを造り分け、ブレンドしてつくられる珍しいタイプのテキーラ。それぞれ製造する場所が異なる。いずれもピニャの劣化を防ぐため丸ごと運ぶ。持ち運びやすいように半分に割ってしまうと加水分解して味がぼやけてしまうからだ。いずれも伝統的なマンポステラ(レンガ窯)に運び、ここで均等にカットされる」。

「前者では加熱後石臼で搾汁する。一般的なアウトクラベ(圧力窯)やリフューザーと呼ばれる搾汁効率を高めるものは使わない。後者でもマンポステラを使うが搾汁はドレン(排水路)付のシュレッダーラインで使う。なお、前者ではバガス(絞り粕)も一緒に発酵槽に入れて発酵させるが、後者ではバカスは入れない」。

「発酵にはいずれもパインウッドの発酵槽を使う。ステンレスに比べて、寿命は4年と短く洗浄の手間もかかるが、深みのあるテキーラに仕上げるため。蒸留はいずれも銅製でサイズの異なる単式蒸留器を使い、2回に分けて行う。1回目で25%カット、2回目で30%をカットする。こうして出来上がったテキーラは全く違うタイプに仕上がる」。

「シュレッダーラインの方はフレッシュできれいな甘い香り、タオナラインの方はもう少し濃厚で野性的な甘い香りとなる。これらを半々でブレンドする。レポサド、アニェホはアメリカンワイトオーク樽やバーボン中古樽など6種類の樽で熟成させる」。(A. Horiguchi)

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