ワイン文化ツーリストセンター ボルドー・シテ・デュ・ヴァン落成

3年の歳月を掛けて完成したボルドー・シテ・デュ・ヴァンCité du Vinの開所式が、5月31日、フランソワ・オランド大統領が出席して行われた。

 

ボルドー・シテ・デュ・ヴァンはボルドー河岸再開発計画の一環として構想され、アラン・ジュペ市長が主導してきたもので、ワインに特化した博物館としては世界最大だ。2009年に「ワイン文化・ツーリストセンター」の名称で計画が始まり、2015年に運営を担うワイン文化文明財団が創設され、シャトー・ランシュ・バージュの共同経営者でボルドー市助役の一人、シルヴィ・カーズさんが会長に就任し、実現に向けて準備がすすめられてきた。

 

ボルドー・シテ・デュ・ヴァンの総予算は8100万ユーロ。うち80%をボルドー市、アキテーヌ地方、ボルドーワイン委員会、ボルドー商工会議所、ジロンド県などが負担し、残り約20%を83の個人、企業のメセナによってまかなわれた。

 

大口のメセナはワイン産業に関わりの深いフランス大手金融機関クレディ・アグリコル、そしてドメーヌ・クラレンス・ディロン(シャトー・オ・ブリヨン)がそれぞれ100万ユーロ、ベルナール・マグレ氏が50万ユーロなど。このほか、コルク・樽製造グループのウネオ、メドック・グラーヴのグラン・クリュ・クラッセ、サンテミリオンのプルミエ・グランクリュ・クラッセなどがそれぞれ献金した。

 

建物は、114の応募の中から選ばれたパリの建築事務所XTUの作品で、55m、10階建て、総床面積14,000㎡。建物全体を木と光沢のあるアルミで覆い、グラスの中で渦巻くワインの表情を表現したという。既に、別名として「グランクリュ博物館」、ビルバオの現代美術館に準えて「グゲンハイム・ド・ジロンド」、「ボルドーのルーブル・ピラミッド」、さらに形が似ていることから「カラフ」の愛称でも呼ばれている。

 

フランスはこれまでも、ワインと葡萄栽培に関する博物館を各地に設立してきたが技術的教育的画一的な説明が多く、幅広い入場者を呼び込む事ができず失敗してきた。このため、シテ・デュ・ヴァンは博物館にテーマパークの要素を組み込み、世界各地から年間通じて、幅広い年代層を引きつけるよう工夫した。フランスのディズニーランドに次ぐ集客力を持つフュチュロスコープの支配人を13年間務めたフィリップ・マソル氏を館長に迎えたのも、公的資金で建物を建て、その後も補助金頼りで運営する従来型の地方博物館を脱して、独立採算の運営をめざしたからだ。

 

年間、45万人の入場を見込んでおり、この入場料で80%、残り20%をレストラン、ワインバーなどのテナント料、土産品の売り上げ、700㎡の展示会場、250席のホールの貸出料などで1200万ユーロの運営費をまかなう計画だ。(T.Matsuura)

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