「デカンタ・ワールド・ワイン・アワーズ DWWA 2016 プラチナ賞受賞記念 グレイスワイン メーカーズディナー @コンラッド東京」に見るマリアージュの極意

コンラッド東京のマネージャー兼エグゼクティヴソムリエの森覚さんが、フレンチレストラン「コラージュ」のシェフとの綿密な打ち合わせの末、見事なマリアージュを披露してくれた。中央葡萄酒主催の「デカンタ・ワールド・ワイン・アワーズ DWWA 2016 プラチナ賞受賞記念 グレイスワイン メーカーズディナー」でのことだ。中央葡萄酒の三澤茂計代表取締役、三澤彩奈栽培醸造責任者により、受賞について、ワインについての説明も行われた。

日本が誇るワインとフランス料理の出会いの様子をお伝えする。

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ワインにしても料理にしても、飲んだり食べたりしてしまえば形は残らない。いわゆる消え物だ。ただ、その印象が何十年もはっきりと記憶に残るものもある。今回のマリアージュもそのひとつになりそうだ。特に、キュヴェ三澤 明野甲州との組み合わせが感動的だった!

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1extrabrutグレイス エクストラ ブリュット 2011 × 赤茄子のエスプーマ 梅とトマトのフォンデュ

料理:梅とトマトの甘酸っぱいフォンデュが下に敷かれ、その上に薄黄緑色のふわりとした赤茄子のエスプーマがこんもりと盛られて、仕上げにパウダー状のバジルとトマトオイルが。

マリアージュのポイント:グレイス エクストラ ブリュットを試飲して、まずトマトを合わせたいと思った森さんだが、甘味だけではなく酸も何かで出したいと、梅との組み合わせを思い浮かんだ。そして、茄子のエスプーマでまろやかな泡に合わせた。

ワインの印象:6月に「DWWA 2016 プラチナ賞受賞」記者会見で試飲した時には、肌寒いセラーの中で一口だったため、清々しい印象が強かった。ただ、ゆっくりと対峙してみると、ペストリーやバニラのニュアンスやまろやかさも感じられた。

マリアージュの印象:このエクストラ ブリュットが持つ甘味、酸味、そしてテクスチャーを表現した一皿は、互いに溶け合うように馴染んでいった。

 

2gracekoshu2015グレイス甲州 2015 × ビーツのマリネ ゴートチーズと赤玉葱のチャツネ

料理:丸く平たく形を整えられたビーツのマリネに、クリーミーに仕立てられた山羊のチーズ、そして赤玉葱のチャツネがのせられている可愛らしいディスプレイ。香ばしいクルミもあしらわれていた。

マリアージュのポイント:グレイス甲州は、2014年の方がよりキレがあり、2015年の方がより柔らかいという印象を受けた。そこで、ビーツが持つ野菜のミネラル感、山羊のチーズのフレッシュ感とクリーミーさ、それにクルミのナッティーを加えて香りや厚みに寄り添わせた。

ワインの印象:白い花や青い柑橘類の香りが立ち上る上品な香りと、塩っぽさやほんのり感じられる収斂性に甲州ならでは、を感じた。

マリアージュの印象:心地よい相性で、後味にソフトな印象が残った。

 

3gracekoshu2014グレイス甲州 2014 × 冷製アスパラガス 雲丹と温泉卵

料理:アスパラガスの冷製に、温泉卵のようななめらかな黄身と香ばしいコーン、とろりとした雲丹がのせられ、食感のよいベーコンがアクセントになっていた。

マリアージュのポイント:2014年が持つロワールの白ワイン的な清涼感、ミネラル感に、アスパラガスの爽やかさと雲丹が内包する海のミネラルを合わせたもの。

ワインの印象:冷涼だった天候を反映した、キリッとした酸とミネラル感が感じられた。ピュアな造り。

マリアージュの印象:共通した性格を持つもの同士で、優しく融合した味わいを生み出した。

 

残念ながらオマールの画像を撮り忘れていたもよう

残念ながらオマールの画像を撮り忘れていたもよう

キュヴェ三澤 明野甲州 2015 × オマール海老とフェンネルのサラダ メロンのエスプーマ

料理:残念ながら写真を撮り忘れてしまったようす。しっかりとしたロブスターに、香りのよいフェンネルとジューシーなメロンのエスプーマが彩りを添えていた。

マリアージュのポイント:明野甲州もやはり2015年には柔らかさが感じられたので、ロブスターで食感を十分に表現し、メロンで果実の豊かな甘味を、フェンネルで清涼感を合わせた。

ワインの印象:アーモンドパウダーあるいはオイリーなニュアンスも感じられる香りで、熟度の高さを思わせる。酸も厚みもあり、生き生きとしていた。

マリアージュの印象:力加減が均衡して余韻が長く続いたのを覚えている。

 

5cuveemisawa2013キュヴェ三澤 明野甲州 2013 × ハタの低温調理 鮑と冬瓜

料理:低温調理されたハタに、食感のよい鮑のスライス、優しくみずみずしい冬瓜が添えられ、海苔のソースに覆われていた。

マリアージュのポイント:このワインもつ旨味とミネラルは貝とよく合う。ワインのバランスを崩さないように、ワインの下から入っていくような料理に仕上げてもらった。

ワインの印象:落ち着きのある香りと味わいで、とても繊細。

マリアージュの印象:どの素材の味付けも、また海苔のソースの味付けも、とても上品で透明感があった。そのバランスが、繊細な2013年の明野甲州と本当に素晴らしい相性だった。ワインの良さをすべてそのまま残しながら、ワインに寄り添いながら料理そのものの美味しさも表現する、という見事な組み合わせで感動した。

 

6ridgesystem2012キュヴェ三澤 リッジシステム2012 マグナムボトル × 和牛ロースのステーキ じゃがいもとトリュフ 黒にんにくソース

料理:旨味たっぷりな和牛ロースのステーキに、まろやかな黒にんにくのソースが添えられていた。

マリアージュのポイント:ワインが力強くまだ若い状態のため、1時間前に抜栓して30分前にデキャンタして馴染ませた。

ワインの印象:とても若々しくてハツラツとしていた。カシスやキャラメルの香りも印象的で、酸もタンニンも生き生きとしていて、エキス的な要素も感じられた。カベルネ・フランの熟度と丁寧な造りを思わせる。

マリアージュの印象:なめらかな相性を醸し出していた。

 

ワインの造り手と料理の造り手、そしてその間をとりもつソムリエ、いずれも素晴らしい職人技を見せていただいた。(Y. Nagoshi)

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シェフやソムリエなどのスタッフ陣を紹介する三澤茂計社長

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