スパークリングワインの売行き 夏の天候不順で輸入ペースも鈍化

今年1 ~ 9 月までのスパークリングワイン輸入量は260 万ケース(下表参照)で、前年同期比4.2%の増加である。1 ~ 4 月輸入量は8.5%増だったので輸入ペースは鈍ってきている。このままで推移すると通年ではほぼ前年並みに落ち着くかもしれない。

 

というのも実際の販売量は輸入量を下回る低調なものだからだ。量販店店頭の低価格スパークリングワインの売れ行きは好調だが、業務用需要の冷え込みがスティルワインだけでなくスパークリングワインの売れ行きにも影を落としている。

 

今年上半期の動きは「輸入ペースは好調だが、販売量の伸びはそれを下回っている」というもので、夏のスパークリング販売の出来が今年の趨勢を決めると見られていた。ところが8 月、9 月と天候不順の状態が続き商況はますます悪化している。

 

一昨年、昨年と続いた値上げラッシュが為替の円高基調でひとまず沈静化した。しかし多くの国民がアベノミクス効果を実感できず、個人消費の振るわない状態が続いている。この先、さらに景気が悪くなるとしたら、ますます消費に回す金は少なくなるはずだ。飲酒量は景気に左右されないが、何をどこで飲むかは個人の懐具合にかかっている。

外食から家呑みへの進行はますます強まるだろう。(K.B.)

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<2016年1月~9月累計スパークリングワイン輸入量>    単位:ケース(12本=9ℓ)

1 フランス 929,692ケース 前年同期比 99.4%
2 スペイン 686,980 107.6%
3 イタリア 493,339 100.7%
4 チリ 234,139 147.4%
5 オーストラリア 126,186 116.9%
6 メキシコ 37,448  82.9%
7 米国  26,941  73.8%
8 ドイツ 19,390 107.7%
9 南アフリカ共和国  17,798   71.4%
10 アルゼンチン  14,211   55.9%
合計  2,598,572ケース  前年同期比 104.2%

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