プロセッコの『ボッテガ』 サンドロ・ボッテガ社長のセミナー

プロセッコ『ボッテガ・ゴールド』の造り手ボッテガ社のサンドロ・ボッテガ社長が日本酒類販売・首都圏商品展示会のために来日した。金色のメタリックボトルは、かつてのヴェネツィア共和国の栄華と夕映えのヴェネツィアの海をイメージしたもので、ザ・ヴェネツィアン・ゴールドのキャッチフレーズで親しまれており、これまで世界100 か国に600 万本を販売しているという。「プロセッコの生産はシャンパーニュとほぼ同じで、3億1000 万本を超えている」とサンドロ。こうした勢いに乗って、ボッテガ社はプロセッコ・バーを世界で7店オープンしている。

日酒販の小川和弘国際事業本部長は、「サンドロ・ボッテガのワイン造りの哲学は、いいブドウを使ってクオリティの高いワインをつくることだが、そこに留まらずデザインにも気を遣い、大袈裟に言えば芸術にしたいと考えている。ぜひサンドロ・ワールドを楽しんで頂きたい」と紹介した。

今回はアートディレクターのモニカ・リゼットも一緒に来日した。

 

サンドロは1983 年に急逝した父親の跡を19 歳の時に継いだ。1985 年にはヴェネツィアン・グラスの職人に依頼して、吹きガラスのボトルを作り、これにグラッパを詰めて販売した。そして1987 年からグラッパの商標に「アレキサンダー」を採用した。現在では、グラッパだけでなく、プロセッコをはじめとするスプマンテ、スティルワイン、それとリキュールを合わせて年間約1300 万本を製造する会社に育て上げた。そのうち約8割はスプマンテだという。

ボッテガ社はヴェネツィアから50 ㎞ほど内陸に入ったトレヴィーゾにある。自社葡萄畑は7ha。葡萄はDOCG のフォッリーナ村産で、生産規格もDOCG プロセッコだが、『ボッテガ・ゴールド』は中身の見えないメタリックボトル入りなのでDOCG を名乗ることができない。このためDOC プロセッコ・トレヴィーゾになる。

クリーミーな泡立ちとシルキーな口当たりがボッテガ・ゴールドの特長で、その醸造上のこだわりはフレッシュ・ローテーションにある。サンドロは次のように説明する。

「DOC プロセッコの葡萄品種グレラはアロマティックな葡萄で、そのデリケートな香りや果実味をうまくワインに引き出すことが大切だ。プロセッコの醸造がシャルマー方式である理由もそこにある。収穫されたグレラは酸化を防ぐため表面にドライアイスを噴霧し、一晩、低温でマセレーションをする。これでグレラの持つデリケートな香りを引き出す。そして空圧式プレスに入れてやさしい力で搾汁する。ゴールドはベースワインで無く果汁で保存し、注文に応じてプロセッコを造る。(A.Horiguchi)

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画像:サンドロ・ボッテガ社長とアートディレクターのモニカ・リゼット

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