“ジャパニーズ・クラフト”目指し日本独自のホップ育種開発に挑む

日本産のワインやウイスキーが海外で注目されている。ビールも“ジャパニーズ・クラフト”が話題になる日がそう遠くないかもしれない。ただ、ワインなら甲州種、ウイスキーならミズナラ樽といったように、日本固有のシンボルとなる何かがあると、より端的にジャパニーズだと認識しやすい。

今年収穫した国産ホップでつくったビールで乾杯するイベント「Fresh Hop Fest 2016」には、全国のクラフトブルワリー19社が参加した

今年収穫した国産ホップでつくったビールで乾杯するイベント「Fresh Hop Fest 2016」には、全国のクラフトブルワリー19社が参加した

ピルスナービールに使われるホップの代表格としては、ドイツ・ハラタウ産のヘルスブルッカーの馴染みはまだ薄いものの、チェコ産のザーツなら何となく聞いたことがあるという日本人も少なくないだろう。

クラフトビールについては、カスケード(米国産)、ギャラクシー(豪州産)、ネルソン・ソーヴィン(ニュージーランド産)といったホップの名前を、よく耳にするようになった。このように伝統的なビール生産国やクラフトビール先進国といわれる国々では、その国を代表するホップ(の品種)を持っていることが一般的だ。

それでは、さて、日本でのホップの育種開発はどうなっているのか、大いに気になるところだ。日本国内では、キリンとサッポロがホップの育種開発を行っているという。

ただ、ホップにしても大麦にしても、ビールの主原料としては海外産の方が品質やコストの面から圧倒的に優位だとも言われている。そうした中では、クラフトビールブームが起こっているからといって、日本の大手ブリュワーが国内での育種開発に大きく踏み込むまでには至っていないのではないかと思われてきた。ところが実際はそうでもないようだ。

国産ホップの新品種『MURAKAMI SEVEN』

国産ホップの新品種『MURAKAMI SEVEN』

キリンとサッポロのマスターブリュワーのお二人に、日本独自のホップの育種開発に賭けるロマンと現状について話を聞いた。(A.Horiguchi)

冒頭の画像:日本で開発された『SORACHI ACE』

つづき(キリン・マスターブリュワー田山智広氏、サッポロ・JPBマスターブリュワー新井健司氏のインタビュー)はウォンズ11月号をご覧ください。ウォンズのご購入・ご購読はこちらから

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