パイパー・エドシック 「レア・ロゼ2007」とともにブノワ・コラール新代表来日

ブノワ・コラールは2015年10月より、パイパー・エドシックの代表に就任した。今年9月中旬にパリで披露されたばかりのプレステージ・キュヴェ「レア・ロゼ2007」を抱えて来日した折、パイパー・エドシックの今後やレア・ロゼについて聞いた。

 

<長い歴史とはじける若々しさ>

パイパー・エドシックは、1785年に創業した老舗のひとつとして知られている。その長い歴史の中で埋もれることなく「生き残ってきたメゾンで、世界中で知られている」。逸話も多く残っており、マリー・アントワネットへ献上されたり、マリリン・モンローが愛飲していたことでも有名だ。

しかしコラール氏は「ある意味で若いブランドであり、エネルギーがあり情熱にあふれた会社だ」という。オーナーが40代という若さであるだけでなく、シェフ・ド・カーヴのレジス・カミュは、年齢はともかく「とても若い気持ちと強い信念を持った人物で、革命的でもある」と絶賛する。

パイパーには「2本の足」が必要で、ひとつは「上質であること」、もうひとつは「パッション」だと言及した。

前者は、レジス・カミュのおかげで数多くの賞も獲得してきた。後者には、創業者の恋の逸話なども含まれる。鮮明な赤と金のラベルは、このような情熱を表現するのに一役買っている。

 

<日本市場>

日本市場には、数年前から「エッセンシエル キュヴェ ブリュット」が、ノン・ヴィンテージのブリュットとして主に販売されている。通常のブリュットの中から選ばれたロットを、約1年間長く瓶内熟成させたものだ。

ソムリエの数が一番多い国であること。ワイン愛好家が、ワインやシャンパーニュの複雑性をよく理解していること。日本料理やガストロノミーのあり方を見ても、日本人の舌は確かだと認識したこと。その結果、レジス・カミュがエッセンシエルのリリースに踏み切ると決めた。日本であれば、パイパーの質の高さをエッセンシエルを通して認識してもらえると踏んでのことだ。

今後も日本市場では引き続きエッセンシエルを主体にしていくが、ウエディングや大きなパーティなどの需要に合わせて、よりフレッシュでフルーティなタイプが求められる場合には、通常のブリュットも合わせて供給していく予定だ。

 

<後継者>

現在シェフ・ド・カーヴを務めるレジス・カミュは、既に還暦を過ぎている。もちろんまだ健在で今後も仕事をする予定だが、後継者も育ってきている。

昨年メゾンを訪問した際、ヴァン・クレールを試飲した。レジスとともに立ち会い、ブレンド前のワインがどこの村の葡萄から造られ、どのような特徴を備えているか、こと細かに説明してくれた醸造家がいた。セヴリーン・フルルソン=ゴメス。15年以上もレジズのもとで仕事をし、すべてのキュヴェの管理を任されている人物だ。「秘密もすべて把握している」という。

数年後には、セヴリーンが後を継ぐようだ。そうなれば、グラン・メゾンで初めての女性シェフ・ド・カーヴの誕生となるのではないだろうか。

piper

<レア・ロゼ2007

パイパー・エドシックのプレステージ・キュヴェ「レア」の存在は、他のメゾンのそれと少し趣が異なる。1976年の初ヴィンテージ以来、文字通り「稀な」個性の年にだけ造られてきたからだ。「レア」が造られたのは今までに8回だけ。

レアのロゼを造るきっかけを尋ねると「同じ質問をレジスにした」という。「レジスは、22年前にシェフ・ド・カーヴに就任して以来、いつかレアのロゼを造りたいと思っていた」。そして、2007年にロゼを造ると決めた。「2007年は、夏が涼しく困難なヴィンテージとなった。しかし、いくつかの畑では酸は高いが健全で十分に成熟した葡萄が得られた。ベースワインの赤を試飲した時に『これでロゼを造る』と確信した。非常に挑戦的ではあったが、確信を得られたからこその決断だった」。

ブレンドする赤ワインの95%が、レ・リセの葡萄から造られたものだ。「赤い果実の強さと酸のフレッシュ感のバランスが素晴らしく、ユニークなキュヴェだ。ハーモニーとスパイスによるエキゾティシズム、酸による上品さと長期熟成可能性、様々な要素を備えている」。

実は6月にローンチしようと考えていたが延期したという。今年1,500本のみリリースし、2〜3年かけて徐々に販売する予定にしている。

パイパー・エドシックにはノン・ヴィンテージの「ロゼ・ソヴァージュ」があるが、そのイメージとは対極にあるロゼだ。

エレガントでフローラルで、スパイスや果実の香りが複雑に、そして生き生きと立ち上る。上品ながら、徐々に力強さが感じられ後味にスパイシーな香りが長く残る。とても印象に残るまさにエキゾチックなキュヴェで、確かに「レア」なロゼだった。(Y. Nagoshi)

 

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