オレゴン産シャルドネのポテンシャルを追究する「ベルグストロム・ワインズ」

もう一つは、「シグリッド・シャルドネ」。
Sigrid はジョンの祖母の名前で、このワインはジョッシュの父、ジョンをスウェーデンから米国へと送り出した後、102 歳まで長寿を全うした祖母へのオマージュ。こちらは100%自社葡萄で造られている。記録に残るほどの冷涼な年だった2011 年産は、ミネラル感と柑橘や桃、白い花など複雑で重層的なアロマ、クリーミーで滑らかなテクスチャーとともに引き締まった味わいがあり、フィネスとバランスに優れる。「オレゴンのポテンシャルを追究したワインで、10~ 15 年は熟成できる」ワインだが、今飲んでも素直に美味しい!と感じる魅力に富んでいる。

このワインはフランス産のオーク樽(新樽比率は最大25%新樽)で発酵し、12 か月澱と一緒に熟成、その後さらに澱と一緒にステンレスタンクに移し6か月熟成するという手間をかけている。その意図するところをジョッシュは次のように説明する。
「このプロセスはゴムバンドのようなものだ。シャルドネは樽の中で発酵されることによりリッチな樽の風味が加わり、しっかりとした第一アロマがでてくる。しかし、ステンレスタンクのなかの伸びやかな状態で熟成を重ねることにより、オークの風味がワイン中に溶け込み、ファットな部分が消える。ステンレスタンクで熟成することで澱の成分がワインに溶け込み、ミネラル感をもった独特なテクスチャーに変わることができる」「澱は何百万個もの死んだ細胞の固まりだが、最終的に細胞が壊れ小さな成分に変わることで旨み成分をワインに抽出する。しかし、225リットルという小さな容量の樽の中では、ワインが澱に接触するのは樽底の部分だけ。そこで容量の大きいタンクに移すことで、澱に圧力をかけることができる」

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