新春スペシャル 和菓子とお酒のいい関係

お正月の過ごし方は人それぞれだ。海外旅行を楽しむ人がいれば、寝正月の人もいるだろう。生まれ育った実家へ戻るなどして、親戚一同久しぶりに集まっておせちをつまむのもまた一興だ。

個人的には田舎で過ごすのが恒例で、元旦の行事はだいたい決まっている。食周りでいえば、朝昼晩と三度いただくお雑煮&おせちも楽しみだが、花びら餅も必須アイテム。茶道の初釜用の主菓子で、味噌餡とごぼうを挟んだ半円形の餅菓子だ。もちろんお抹茶とともにいただく。

 

やっぱり和菓子には抹茶が似合う。そう思う。もし抹茶ではないとすれば、緑茶かほうじ茶が次の選択肢だ。しかし、自然とそう思っていた常識を覆された。昨年の秋口に、和菓子作家の坂本紫穂さんの「お酒と和菓子の宴」という会に出席した時のことだった。和菓子をまるでコース料理のように複数食べるのも初めてだったうえ、様々な飲み物との組み合わせるのも初試みで、とても刺激的だった。

 

<こだわりの液体>

宴にはお酒もお茶も出てきたけれど、どれもこだわりの液体だった。

日本酒/七本槍 無農薬純米 無有(むう)

ウイスキー/オールドパー シルバー

コーヒー/drip bar COFFEE AND CRAFTS インドネシア ドロッサングール

紅茶/Ceylon Tea Buch Ceylon Earl Grey

緑茶/美緑園 輝(ひかり)

ハーブティー/aromateabase 紫おんBLEND

 

「和菓子は香りが控えめなので、香りを楽しめて同時に味わいの邪魔をしないものを選びました」と坂本さん。

日本酒は、期間限定品で、ピュアな純米の個性が表現されたもの。

ウイスキーは、「父がよく飲んでいたオールドパー」の新商品で、古き良きブランドが新しいものを追求している、というスタイルが坂本さん自身の和菓子に対する姿勢にちょうど似ているから選んだという。確かに「古くて新しい」銘柄だ。

緑茶は静岡の深蒸し茶で、通常「水出し茶」は出汁のように旨味が出るが今回はそうではなく、旨味より香りが立つ爽やかなタイプのものをあえてセレクトした。

ハーブティーは、坂本さんと付き合いのあるハーブ専門のaromateabaseが「坂本さんのイメージで、お花だけのハーブティーを」特別に準備した。

 

<和菓子は想像力によるクリエイション>

「和菓子の基本は30種類ほどです。あとは、想像力でバリエーションを出していきます。あまり道具に頼りすぎず、今手元にあるもので作っていくほうがよりよいクリエイションができます」。坂本さんはこう言う。

確かに、和菓子の素材はおよそ決まっている。それらを駆使して、季節やTPOに合わせて創り出していくのが和菓子なのだ、と改めて考えさせられた。

絶品だった作品を、一同にご覧いただこう。

 

 

練り切りの仕上げをして自らサービスする紫穂さん

どれも秋らしい風情があるだけでなく、食感、質感、程よい甘みなどが特別で、とても繊細な手仕事がされたものだということが、歴然としていた。特に、口の中で溶けていく羊羹、深煎りで香ばしい極細粒のきな粉を使ったわらび餅、しっとりなめらかで上品な食感の練り切りが忘れられない。素材選びにも相当なこだわりがあるのだと、素人にもよくわかった。

 

<相性研究>
さて気になる相性は、本当に意外な結果だった。もちろん個人の好みによって異なるのだが、20名ほどの参加者による挙手の結果、「一番人気」の組み合わせは「和三盆糖 × オールドパー シルバー」だった。個人的にも一番にしていたのだが、どちらも味わいに深みが出てくるので驚いた。

「どちらも混じりけがなく、純粋なもの同士だからかもしれませんね」と坂本さん。和三盆糖は、上質な和三盆の他には少量の卵白しか使われていないという。

「わらび餅 × オールドパー シルバー」も、互いの香ばしさが引き立って捨てがたい相性だった。そして面白いことに、日本酒と特に相性がよいと感じたのも、ウイスキーと同じ和三盆糖とわらび餅だった。

ちなみに、緑茶はどのお菓子にも寄り添うような相性で、さすがだと感心した。

 

 

和菓子でお腹がいっぱいになる、という初めての体験はなんだかとても幸せな時間だった。甘かろうが辛かろうが、上質なものは人に幸福感を与えてくれるのだろう。そして感性豊かな人に出会うのは実に楽しい。

この時まで、ウイスキーに甘いものといえばチョコレート! とばかり思っていたけれど、和菓子の世界とも面白い。古くて新しい「オールドパー シルバー」は手頃なうえに柔軟性があるので、色々試してみるのにいい存在だ。(Y. Nagoshi)

取材協力:avex life design lab 「楽しむオトナをクリエイトする」新オトナ・ラボ

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