特集 ビール新時代へ スモールバッチで“究極の味覚”に挑む

—クラフトビールの定義について。
日本では明確な定義はありませんが、一般的にはバッチサイズの大きさが一つの定義として認知されています。いわゆる大量生産ではないということ。バッチサイズが小さいということは一回当たりの製造量が少ないという意味よりは、小回りが利いて造り手のクリエイティビティが発揮しやすいということ。いろいろなことができる。そういう意味では、スモールバッチがクラフトの特徴として間違いなくあると思います。

—キリンビールの歴史の中でこのスモールバッチの取り組みは。
80年代に京都で当時としてはスモールバッチといえるマイクロブルワリー(小規模醸造所)を設立しました。通常のビール工場の5分の1から10分の1のスケールでユニークなビアスタイルを追求するためです。当時からビールの多様性については会社としても意識しており、そういうものを実現できるブランドというのはスモールバッチでないとなかなかやりにくいという認識でした。
今回のSVBの前身ともいえるパブブルワリーを1991年に横浜に設立した時もバッチサイズは1キロリットル弱と非常に小さく、横浜のホーム工場の100分の1以下でした。そういったDNAをキリンはずっと持っています。2000年代に入って、キリンプラザ大阪という道頓堀のど真ん中のビル内でこれも小さいパブブルワリーをつくり、5年以上続けました。

当時としては特別なヴァイツェンとかペールエールなど、大量生産にはない、地ビールでつくるような味覚の特徴のある多様なビールをつくりました。つまり、今回、SVBをスタートする時も全く初めての経験ではなく、むしろ志はずっと脈々とあったといえます。

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