北海道~九州 ヴァラエティが広がりつつある日本産ピノ・ノワールの今と明日

第1回 日本ワイン ピノ・ノワールサミット

パネラーとして登壇した6人の造り手達

ピノ・ノワールを愛するワイン関係者や愛好家が集まり日本ワイン ピノ・ノワール実行委員会を結成し、このほど第1回「日本ワイン ピノ・ノワール サミット」を東京で開催した。当日は北海道から九州まで全国各地のワイナリー20社が出展し、ピノ・ノワールを中心とするワインを紹介。試飲は事前にチケットを購入する有料制だが、各ブースには長い行列ができるほどの盛況ぶりをみせた。

この日午前に開催された第一部は、“ピノ・ノワール ミーティング”と題するパネルディスカッション。北海道、青森、山形、長野、宮崎を代表して6人の醸造家が登壇。それぞれが造るワインの事前試飲をおこなったうえで、ワインの印象や、各地のワイン造りの現状、日本のピノ・ノワールのこれからについて語りあった。

取材メモのなかから、各氏の発言要旨を紹介する。

 

まだまだ少ない日本のピノ・ノワール

冒頭、進行役を務めた石井もと子氏が日本におけるピノ・ノワールの消費、生産状況について次のように概括した。

「ブルゴーニュワインの輸出先として、日本は米国、英国に次ぐ第3位。それほど日本人はピノ・ノワール好きといえるが、BIVBが発表している2016年1~9月の対日輸出量は12.6%と過去最大の下落率を示している。その理由は①ブルゴーニュはここ数年連続しての収量減で、売るワインがない、②第三国からのピノ・ノワール輸出量が増えている、といった理由が挙げられる。しかし、第3の理由として、日本でも(需要に応えられるだけの)旨しいピノがあるからだ、とは残念ながら言えないのが現状だ。国税庁が発表した数字によると、日本ワインは全体で210万ケース造られているが、ピノ・ノワールのブドウ受入数量はわずか184トン。これは全体の0.8%、赤ワイン用品種だけに絞り込んでも1.7%に過ぎない」と、現場を報告。

 

各地ピノ・ノワールの現状

これを受けて、パネラー各氏からは各地の現況について次のような説明が行われた。

工藤 雅義(グランポレール勝沼ワイナリー チーフワインメーカー) ピノ・ノワールの生産が一番多いのは北海道。余市が大半で、空知などが続いている。グランポレールでは北海道での契約栽培を2000年に決めた。ディジョンクローンの苗木をフランスから輸入し、勝沼、岡山で試験栽培を行った結果に基づき、2種のクローンを2006年に植えた。比較的早く、2008年には初収穫。北海道のピノ・ノワールには酸が残って、香りがピュアに出る傾向があると思う。

川邉 久之(高畠ワイン取締役製造部長) 山形のピノ・ノワール生産量はおよそ4トンで、ほとんどが高畠産。他のワイナリーも結構造っているが、統計に上がってこない。高畠の気候はローヌ的で、ピノ・ノワール

としては夏が暑い。急激に酸が落ちやすいという問題がある。当初はスパークリングワイン ブラン・ド・ノワール用として自社畑に定植したのが2007年。一部の棚では雨よけハウスを施し、ある程度の糖度と熟度のブドウを収穫できるようになった。

渡辺 直樹(サントリー登美の丘ワイナリー長) 風土を引き出すワイン造りをめざして、1990年を過ぎた頃、青森・津軽の栽培農家と契約を行った。ブドウ樹は結構古い。収穫は10月上~中旬に行っているが、9月の最低気温が弘前で14.3℃と低く、ゆっくりとブドウが熟す。ピノ・ノワールのハングタイムでは津軽から北海道南部にかけてが理想的ではないかと考えている。同じ青森でも下北はヤマセの影響で寒すぎるようだ。(以下、略)

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画像:パネラーとして登壇した6人の造り手達

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