<2016年のワイン市場分析>内食化が進み業務用需要振るわず、2007年以来9年ぶりの前年割れ。

国税庁がまとめた2016 年酒類課税状況表を見ると、前年より増えた種類は「ウイスキー(8%増)」、「スピリッツ等(15.1%増)」「リキュール(0.5%増)」だけ。2016年もウイスキーと低アルコールRTD がよく売れたことが分かる。あとの種類はワインを含めて軒並み前年割れだった。

 

2016 年の経済指標を拾ってみると、景気は穏やかながら回復に向かっていることがわかる。たとえば実質GDP は3 四半期連続でプラスになったし、景気動向指数も上向いている。

ただ、消費に関する指標は依然として芳しくない。1 世帯当たり実質消費支出は3月以降10 か月連続で減少しているし、全国百貨店売上高も2 月を除いてずっと水面下が続いている。景気回復を実感できず、先行きが不透明でもやもやした状態が続くから、消費者の節約志向はますます強いものになる。それでいっそう低価格化、内食化が進み、それがワイン市場にも濃い影をおとした。

 

一方、訪日外国人旅行者数は5 年連続で増えており、2016 年は前年比22%増の2,403 万人を数えた。ホテルの客室稼働率が改善され、ホテル内料飲店の喫食率も上向いているという。ただいわゆる「爆買い」の対象は家電製品、化粧品、医薬品が中心で、滞在中の飲食費にはそれほど多く向けられていない。

ただ僅かに高額希少ワインがその対象になっているようだ。4 月20日に開業する銀座最大規模の複合商業施設GINZA SIX に出店するワインショップ・エノテカの高額ワインの売行きに注目したい。

 

この特集では各種の調査と関係者への取材をもとに、2016 年のワイン市場規模を特定したうえで、2017 年のワイン需要を予測する。まずは2016 年の特徴的な出来事から。

 

一つめは、ワインの課税量がリーマンショックの2007 年以来、9 年ぶりに前年水準を下回ったこと。この間、低価格品に牽引されて、ずっと右肩上がりを続けてきたワインだが、近年は新しくワインを飲み始める人を増やせていない。若者が初めて飲む酒は、ワインではなくRTD になっている。それを裏付けるように小売店でのワインの購入率が減少しているという調査結果もでている。

二つめは、アルパカ、プードゥ、サンタなどチリ産の動物ラベルが量販店のワイン売り場を占拠したこと。国産品も輸入品も同価格帯のワインはみなその煽りを受けて苦しんだ。

三つめは、2015 年から続く業務用市場の不振である。内食化のさらなる進行のせいか、2016 年は高級店だけでなく居酒屋など客単価の安いカジュアルな店も客の入りが悪かった。

<国産果実酒>

1,298 万ケース(8.64 ℓ換算)前年比99.3%

<輸入果実酒>

2,806 万ケース(9 ℓ換算)前年比94.8%

<国産・輸入果実酒合計>

4,104 万ケース 前年比96.2%

< 2016 年一人当たり年間消費量>

2.87 ℓ(2015 年2.98 ℓ)

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