ニッカウヰスキー宮城峡蒸溜所に「ビジターセンター」新設 ウイスキーに懸ける情熱を伝える

アサヒビールのウイスキー製造子会社であるニッカウヰスキーは、仙台工場宮城峡蒸溜所内の見学施設として「ビジターセンター」を新設し、3月27 日からグランドオープンした。

 

これに先立つ25 日には、オープニングセレモニーが行われ、岸本健利ニッカウヰスキー社長は挨拶で次のように述べた。

「宮城峡蒸溜所は、ニッカウヰスキー第2の蒸溜所として、1969 年に操業を開始した。ウイスキーづくりには欠かせない単式蒸溜器と連続式蒸溜機の2つの蒸溜機を併せ持つ世界でも稀な蒸溜所として稼働を続けてきた。このほど、より多くの皆様にウイスキーのおいしさや楽しみ方を体験して頂ける場をつくりたいという思いから、見学者施設をより充実した『ビジターセンター』を開設した。通常のガイドツアーに加え、宮城峡蒸溜所の魅力を存分にご体験頂ける様々な工夫を凝らした展示コーナーが設置されており、多くの皆様にお越し頂き、地域の発展の一助となれば幸いだ」。

“体験できる”“深く知る”をコンセプトにした同センターは大きくエントランスホースとメインホールの2つに分かれている。

エントランスホールには、蒸溜所のシンボルであるポットスチルの実物を展示し、壁には創業者竹鶴政孝氏が残した言葉などを映し出している。このポットスチルは、1953 年から余市蒸溜所で使用されてきた初溜釜(1800L)で連続テレビ小説「マッサン」の撮影にも使われたもの。

来場者は、新たに制作したビデオ映像『宮城峡物語』(約6分)を見てから見学がスタートする。「すべては理想のウイスキーをつくるために」という、ウイスキーづくりに懸ける情熱が伝わってくる。

メインホールの常設展示コーナーは、①ニッカの蒸溜所②宮城峡蒸溜所のウイスキーができるまで③樽の効用④カフェグレーンウイスキー⑤ブレンド⑥ニッカウヰスキーの歴史⑦企画展示コーナー、の7つのパートに分かれている。

 

ウイスキー製造工程の展示では、製造工程順に、原料から精麦、糖化、発酵、蒸溜、貯蔵、熟成まで、それぞれ模型が並んでおり、深く知ることができる。

また、実際にウイスキーの香りの違いを体験ができる展示が9か所あり、ウイスキーは香りを楽しむ飲み物であることを再認識できる。樽内面焼き(チャー)のシーンでは、バーナーで焼く音も聞け、臨場感たっぷりの演出となっている。

 

同蒸溜所の最大の特徴であるカフェグレーンウイスキーについては、世界でも希少なカフェ式連続式蒸溜機の仕組みや製造工程を、実物模型やモニター映像で詳しく紹介している。

ニッカウヰスキーの歴史を展示したコーナーでは、年表の展示にとどまらず、実際に歴代のボトルを展示することで、83 年の歴史をより身近に追体験できる。

なお、こうした展示物には、すべて外国人観光客にも分かりやすいように、英語と中国語の説明を併記した。

 

新設したセミナールームでは、ウイスキーテイスティングの有料プログラムを実施する。講師の解説を聞きながら、宮城峡蒸溜所でつくられるタイプの異なるキーモルトウイスキー3種と、製品のシングルモルト宮城峡、カフェ式連続式蒸溜機で蒸溜したグレーンウイスキーの計5種を試飲できる。各回の定員は24 名で、所要時間は約80 分。土・日曜、祝日の各日2回実施。受講料は1人1000 円(税込)。4月下旬から実施。ホームページから事前予約が必要。(A.Horiguchi)

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