今のドミニクの方向性がわかるプライベート・ラベル「ドミニク・ラフォン」

「ドメーヌ・デ・コント・ラフォン」のドミニク・ラフォンといえば、ブルゴーニュのスーパースターの一人だろう。そのドミニクが2008年から自分の名前を冠したワインを造っている。試飲してみると、自由度が高いだけに今のドミニクが考えていることが最も反映されているワインなのではないかと感じた。

 

<タイトなスタイル>

ドミニク・ラフォンに久しぶりに会ったのは昨年の4月のことだった。彼のワインも久しぶりに味見した。「ドメーヌ・デ・コント・ラフォン」のムルソー2013年、ムルソー・シャルム2009年、「エリティエ・デュ・コント・ラフォン」のサン・ヴェラン2014年、マコン2014年などを試飲すると、昔と随分スタイルが変わっていた。

かつては、広がりのある華やかな香りと、厚みがあり粘性さえ感じられるたっぷりとしたムルソーだったと記憶している。ところが、とてもタイトでテンションの高い繊細な造りへと変化していたのだ。

今では、清澄をほとんどせず多量の澱とともに樽熟成し、バトナージュの回数も相当少なくし、澱引きは最後の段階のみで、ポンプも一切使用しない。このようにして、酸化を極力避けるようにしているからだとインタビューを通してわかった。

 

<ドミニク・ラフォン>

2008年から始めた「ドミニク・ラフォン」も、この方向性を踏襲しているようだ。昨年試飲したドメーヌの2013年ムルソーよりも、ドミニクの2014年のムルソーの方が、さらにキリッと引き締まっている印象だったからだ。もちろん葡萄の供給源は異なるのだが、個人名でリリースするラベルの方がしばりが少ないから、それだけ今のドミニクの感性がそのまま反映されているのではないかと考えられる。あるいは、ジャスパー・モリスMWと何か話し合いがあったのだろうか。

最近「甘旨」という言葉を聞いたことがあるが、この「ドミニク・ラフォン」の場合には、「酸旨」というのが合うのかもしれない。

 

「ドミニク・ラフォン」の場合には、葡萄は自社畑と契約畑の両方を使用しているようだ。畑の管理はいずれもドミニクのチームがみているから、有機栽培かビオディナミ。ブルゴーニュ・ブランは、ピュリニー・モンラッシェとムルソーの下方の区画のもので、特にムルソーは古木のものだ。ムルソーは、ヴィラージュ・クラスのラ・プティット・ド・モンターニュ畑を使っている。醸造所もムルソーにある。

ちなみに、オレゴンで行なっていたコンサルティング料がこのプロジェクトの立ち上げに役立ったようだ。

 

ドミニク・ラフォンにとって、これはネゴシアン・ラインにはなるが、畑も限られているため生産量は少ない。そして、そのすべてをBB&Rが独占契約してイギリス、香港、日本にだけリリースしているという。ドミニク・ラフォンのファンにとって、今のドミニクの感性に触れる必須アイテムといえるだろう。

 

 

Bourgogne Blanc 2014

横に広がる香りではなく、立ち上る香り。上品で、ほんのりバニラが香るが、シトラスや硬いりんごのようなタイトな香り。味わいも、なめらかさもありながらキリッとした酸とミネラルが感じられる、テンションの高い味わい。少し時間を置くと、よりなめらかさが出てくる。面倒でなければデキャンタを。

 

Meursault 2014

トースト、バニラ、バター、シトラス、熟したリンゴや白桃などが香るが、基本的には上品な香り。粘性や厚みも感じられるが、酸とミネラルの勢いがあり、バックボーンがしっかりとしている。テンションが高い。まったりふっくらのムルソーではなく、ピュリニー・モンラッシェに近いエレガンスを感じる。がぶりと一口飲むというよりも、少しずつ何度も口に運びたくなる後を引く味わい。熟れたレモンのような酸旨味を感じる。デキャンタをお薦めする。

 

Volnay 1er Cru Les Lurets 2013

こちらもスタイルとしてはタイトで、まだ香りも固め。小さな赤い果実やほんのりとしたスパイスが上品に香りでる。若々しくしなやか。味わいもなめらかで繊細で、酸がきれい。タンニンも細やかなので、今からでも飲み始められる。(Y. Nagoshi)

輸入元:BB&R ベリー・ブラザーズ&ラッド

 

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