ジャスパー・モリスMW講演抄録/マスターオブワインが外から見た日本ワインの現状と可能性

“Inside Burgundy”など評価の高い解説本の著者でもあるジャスパー・モリスMWがこのほど来日した。2014年以来、山梨、北海道、長野のワイナリーを歴訪してきた同氏だが、日本ワイナリー協会主催の第6回「ワークショップ」で、“日本ワインの現状と可能性” をテーマに講演を行った。

冒頭、比較的手頃な価格ながらあまり知られていないブルゴーニュ赤白3本のワインを試飲紹介しながら、 ジャスパー氏は、「造り手にとって大事なことは、自分がこうあるべきだと考えるスタイルをもったワインづくりに信念をもって取り組んでいるかどうか、そして、自分がつくるワインを支持してくれる消費者をどれだけ見つけることができるかどうかにある。喜ばしいことに、ロバート・パーカー一人の嗜好が市場に大きな影響力を及ぼしていた時代はすでに過ぎた。世界におけるワインのトレンドは、かつてもて囃されていたタニックで、色が濃く、アルコール度の高いワインではなく、オーク香や過度な抽出は控えめで、果実のピュアさがあり、低アルコールなワインへと向かっている。自分にとっても、理想的なワインとはエレガントでバランスがとれ、香りの持続性や余韻の長さに優れたワインだ」とした上で、「これは日本での葡萄栽培、ワインづくりにおいてもあてはまることだ」と言う。

 

世界における日本ワインの位置づけ

たとえば、モルドヴァはピノ・ノワールの生産量において世界で4番目に位置しているが、今日この会場でモルドヴァのワインを飲んだことがある人がどれだけいるだろうか。一般にはワインを造っていることすら知られていないだろう。

日本ワインも同様に、一部の専門家を除けば世界的には認知されていないのが現実だ。それは日本のワイン産業がまだ小さいことに起因しているが、日本でワインをつくることの理由はどうであれ、まずはそのワインを支持して買ってくれる消費者を増やしていかなければならない。そのためにはワインの品質がしっかりしていることが大前提だが、ラベルをはじめとするプレゼンテーションのあり方も大事な要素となる。

 

世界市場で成功する日本ワインは

昨日、日本のピノ・ノワール40本を試飲した印象では、その内10本は醸造上の欠陥など品質的に劣るワイン。20本はまあまあ一定以上の品質だが、残る10 本はかなり良かった。特に、5本のワインは家に持ち帰ってゆっくり飲んでみたいと思わせるもので、いづれも北海道と長野で造られたワインだった。(M. Yoshino)

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