シリアスなクリュ・ボージョレ「シャトー・デュ・ムーランナヴァン」

スタイリッシュなラベルのクリュ・ボージョレがある。そして小さく「1732」と記されている。古いシャトーのあるワイナリーなのだ。ちょうどクリュ・ボージョレについて調べていたところだったので、興味津々で試飲した。正直な感想は「ここまでしますか!?」。本当にシリアスな造り手だ。

 

ムーランナヴァンにあるシャトーは、1936年にAOCムーランナヴァンが認定される以前はシャトー・デ・トランと呼ばれていた。ムーランナヴァンの中でも、とりわけ品質の高い葡萄が得られると昔から評判で、1732年の記録では16世紀からワインを造り続けているという。ルイ14世はじめ高貴な人々にも愛飲されていたようだ。

 

このシャトーの3人目の所有者は、ジャン=ジャック・パリネ。2009年3月に購入した人物だ。かつての名声を取り戻そうと37haの畑と醸造所にたっぷり投資をした。どのぐらい荒廃していたのかはわからないが、現状で平均樹齢40年、植樹密度が9,000株/haでサステイナブル農法に切り替えた。収穫量は20〜35hl/haと大変低い。

醸造所の設備も一新したのだろう。200個の熟成用の小樽は平均2.5年もの。かっちりとした味わいの体型は、収穫量の低さに加えて伝統的な醸造と小樽熟成によるものと考えられる。

 

ある人が「本気でグラン・ヴァンを造ろうとしている」とコメントしていた。試飲するとその本気度が伝わってきた。実は第一印象は、どれも硬くて飲みにくい、といったあまりよいものではなかった。でも、2日待ってみた。すると、ほどけていい表情を見せてくれるようになった。今楽しむなら3本ともデキャンタをお薦めする。

秋には他の単一畑ものLa Rochelle, Clos de Londres, Croix des Verillatsも入荷するようだ。

 

Couvent des Thorins Moulin-à-Vent 2014

香りは閉じ気味ながら、スパイス、ダークチェリー、なめし皮、そして花が感じられる。アタックはなめらかだが、かっちりとした味わいでストラクチャーがしっかりしている。2日待つと豊かな果実の香りが花開き、丸くなった。

Château du Moulin-à-Vent Moulin-à-Vent 2013

凝縮した果実とスパイスの香りが若干まだ硬め。力強い味わいで、もう少し置いておきたいと思わせるストラクチャー。2日置くと、隠れていた深みと力が組み合わさり、素晴らしいバランスの味わいに変化した。

Château du Moulin-à-Vent Champ de Cour 2013

凝縮した果実を思わせる豊かな香りで、ふくよかで厚みがあり、スパイシーさも加わる。期待感を持たせる香り。アタックがまろやかで、ボリューム感もあり、果実の素性の良さを想像させる。タンニンのストラクチャーもしっかりとしている。2日待つと、より複雑性が感じられ滋味豊かになった。(Y. Nagoshi)

輸入元:BB&R(ベリー・ブラザーズ&ラッド)

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