葡萄品種の“ジュラシック・パーク”ギリシャワインの魅力を伝えるマスタークラスセミナー

ワイン文化発祥の地の一つであり、ここ30年間における急速なワイン造りの進化によって国際市場で注目を集めている国、それがギリシャだ。その魅力を伝える“ ギリシャワイン マスタークラスセミナー” がこのほど、東京と大阪で開催された。セミナーを主催したのはギリシャ政府公認のプロモーション機関、エンタープライズ・ギリシャ。当日講師を務めたのは、コンスタンティノス・ラザラキスMW。

東京会場でのセミナーは2部構成。前半は“ ギリシャの四天王” と銘打って、ギリシャを代表する固有品種であるモスホフィレロ、アシルティコ、アギオロギティコ、クシノマヴロの4品種を使ったワインを試飲しながら紹介。第2部では、“ ギリシャの新しい潮流” と銘打って、自然派やビオディナミなどの最先端ワインを紹介しながら、品種や産地、そして造り手達のワインづくりにかける思想など、多様性に富むギリシャにおけるワイン造りの変遷と最新トレンドが解説された。

セミナーの冒頭、ラザラキスMW は「ギリシャワインの面白さは、ワインづくりがマーケティングプランに則ったものではないことだ。ギリシャでは何千年も前からワインを軸にしてライフスタイルが確立されてきた。ワインを飲むときは必ず食事が一緒。世界中で造られているワインはこれまで往々にしてビッグでリッチ、アルコール度数の高いものが好まれてきたが、こうしたワインは一口目のインパクトは強いものの、ボトルの半分も飲み続けることができない。ギリシャワインにとって、良いワインであるかどうかの基準は、友人と一緒にボトル1 本を飲み干すことができるかどうかにある。フランス(のコース料理)では、一つの料理に一つのワインを合わせる。しかしギリシャではこういう楽しみ方はしない。なぜなら、テーブルの中央に大皿を置きみんなで取り分けているからだ。ギリシャの楽しみ方はよりファミリースタイルであり、食事とワインがもたらす絆も強い」

「ギリシャは海に囲まれ、高い山も小島も多い。暖かい国と思われているが、実際にワイン産地の多くは冷涼気候下にある。イタリアでは900種類の葡萄が栽培されているといわれるが、ギリシャのワイン生産量はその25 ~ 30分の1程度にもかかわらず、300種類以上の品種が栽培されている。しかもこうした固有品種の再発見はここ30年ほどのことで、今もさらに新しい品種が見つかっている。ギリシャはまさに“ 葡萄品種のジュラシック・パーク” と言えるだろう」と、語る。

ギリシャでは今、こうした固有品種を使いつつ、産地特性や造り手それぞれが目指すスタイルを反映した多様なワインが造られている。ラザラキスMW によると、ギリシャにおける現代的なワインづくりへの進化は90 年~95年頃から始まった。この時代、ギリシャの多くの造り手達がフランスをはじめとするワインづくりの先進国で学ぶようになり、その技術をギリシャ国内で実践するようになったからだ。

ギリシャは1981年にEUに加盟し、さらに2001年にはユーロ圏の一員となったが、こうした経済環境の変化も畑やワイナリーへの投資を促している。ワイン生産量の9割が国内消費されているが、年間およそ2000 万人といわれる観光客の増加も手伝って、かつて見られた外国人には判読困難なギリシャ文字をつけたラベルは急速に減りつつあるという。(M. Yoshino)

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