国産ジン生産者探訪② ニッカウヰスキー 新しいおいしさを求めて

ニッカウヰスキーの国産プレミアムジン『ニッカ カフェジン」の製造は宮城峡蒸溜所で行っているが、ブレンダー室がある柏工場を訪れた。英国駐在経験もある佐久間正チーフブレンダーに会うためだ。今回の新商品は佐久間さんが発案した。

佐久間正チーフブレンダー

「英国に駐在していた時にもグレイグースやタンカレーナンバーテンは30 ポンドを超えるような価格で販売されていた。スタンダードのウオッカとジンだと大体10 ポンド以下、プレミアムだと10 ポンド後半なので、スーパープレミアムのイメージ。

日本でも5~6年前から海外のメーカーがプレミアムやスーパープレミアムのウオッカやジンの取り扱いをはじめ、高価格帯でも、味とかつくり方でそれなりの納得感があれば、受け入れられると思った」という。

3~4年前に新商品開発のための社内会議「ニッカシーズ提案会」でカフェ蒸溜液を使ったウオッカとジンの試作品をつくり、昨年1月からプロジェクトが本格始動した。

「本格的な開発が始まってからは、伝統的なジンに使われるボタニカルも構成を見直したりしている。求める味の設計はコクのある甘い口当たりとフレッシュな香りであり、11 種類のボタニカルを3つに分けて浸漬・蒸溜している。そのためにジン専用の3つの蒸留機を使っている。和柑橘スピリッツをつくるボタニカルとして、ゆず、かぼす、甘夏、シークァーサー、りんごの5種類を選んだ。そのフレッシュな香り引き出すために果皮を減圧蒸溜する技術は当社が特許を取得している。また、アクセントになる山椒スピリッツの山椒は、産地や鮮度にもこだわっている」と振り返る。

カフェ式連続式蒸留機

カフェモルト、カフェグレーンに今回の新商品であるカフェジン、カフェウオッカが加わり、カフェシリーズは4種類となる。「カフェ式連続式蒸留機はスコットランドにはもちろんあるが日本では当社しかもっていない。創業者竹鶴政孝が1963 年に導入し、おいしいグレーンウイスキーをつくるには不可欠だという思いがずっとある。ニッカウイスキーの一つのベースというか、骨格をつくるカフェスチルのことをもっと知ってもらうきっかけになる」という。

「1830 年にカフェ式が発明され、これでつくった蒸溜液を使いジンやウオッカを19世紀はじめに製造したというのは間違いないので、逆にいうと今回の新商品は先祖返りになる」と佐久間さん。

「自分たちの持っている技術に、様々な素材を組み合わせて、結果的に“新しいおいしさ” が提案できたと思っている」と自信を覗かせた。最近も出張でいったロンドンのバーでジンがたくさん並べられているのを観て、その中に早くニッカカフェジンが加わることを佐久間さんは心待ちにしている。(A.Horiguchi)

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