国産ジン生産者探訪③ 本坊酒造 麹文化を世界に発信する

新たに導入したハイブリッド型スピリッツ蒸留機の前で田中智彦氏(左)

本坊酒造は発祥の地である鹿児島県南さつま市にマルス津貫蒸溜所を昨年11 月10 日に竣工し、南国でのウイスキー造りを開始した。同時に、本格的なジンを製造するために、ハイブリッド型スピリッツ蒸留機(400L)を導入した。

このハイブリッド型スピリッツ蒸留機は「単式蒸溜釜と連続式蒸溜塔(精留塔)の2つの機能を持っている。本格焼酎の原酒にジュニパーベリーと鹿児島産ボタニカルを独自製法で仕込み、再留したジンを製造する他、発酵モロミから副原料に応じて機能を使い分けることであらゆるスピリッツを製造することができる」という。

500Lの小型蒸留釜(左)と400Lのハイブリッド型単式蒸溜釜を使い分けている

一方、マルス津貫蒸溜所には鹿児島工場にあった小型蒸溜釜(500L)も移設した。1969 年から1984 年まで鹿児島工場でウイスキー蒸溜釜として使用されてきたが、小型であるその利点を生かし、同じく、ジンを製造する蒸溜釜として息を吹き返した。

試行錯誤を乗り越えて、ジャパニーズジン『和美人』が4月中旬から出荷開始された。

これまでプロトタイプとして本格焼酎ベースのジンを発売してきた経緯もあり、こうした技術が新商品にも生かされている。

開発に携わってきた同社経営企画本部係長田中智彦氏は「和美人には日本酒、焼酎にも通じる日本の伝統技術である麹文化を世界に発信していきたいというメッセージが込められている。このため、ベースアルコールには、最初に米焼酎をつくり、その後ハイブリッド型の蒸留機で丁寧に磨き上げたライススピリッツを使っている。そこにジュニパーベリーと9種類の鹿児島県産のボタニカルを加えた10種類を3つのグループに分けて、それぞれの特徴をうまく引き出す形で浸漬・蒸溜する。最後にブレンドして製品に仕上げている」という。

飲み方については、「トワイスアップのイメージで、少しずつ水を足しながら飲んでいくと、一番分かりやすいと思う。カクテルでは、ガーニッシュとして、いろいろなボタニカルを飾って飲むスタイルがヨーロッパなどで流行っているが、当社では生姜をイチ押ししている」と田中係長。

「世界にはいろいろなお酒がある中で、日本の麹文化を背負って世界にも出していきたい」と抱負を語った。(A.Horiguchi)

トップ画像:ジャパニーズジン『和美人』

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

ページ上部へ戻る