ことしリリースするソアーヴェを味わう ソアーヴェ・プレビュー Soave Preview

5月18日から21日にかけて今年もソアーヴェ・プレビューSoave Preview が開催された。最初の2日はプロ向けで、マスター・オブ・ワインMW、イタリアの大学教授、研究者によるセミナーで、ソアーヴェの最新情報を得ることができる。

 

最も興味深かったセミナーは、フェデリカ・ガイオッティ女史によるもので、ペルゴラ(ソアーヴェ独特の傾斜棚)とグイヨー仕立ての比較。ブドウ樹の仕立ては、ワインの質に影響を与え、温暖化に伴いさらに重要なファクターとなってきている。

 

2003年〜2012年にかけて行われたリサーチによると、ペルゴラ仕立ては、より多く日陰を作るので、ブドウの実の温度がグイヨー仕立ての実より5~6℃も低くなることがあるという。両方の仕立て方とも酸を良くキープするが、異なるのは糖分で、グイヨーの方が糖度は高くなり収量も多くなる。

 

結論としては、ペルゴラの方がより良いということ。地面からの距離がより高く仕立てられているので、極端な温度の影響を受けにくく、霜にも耐性がある。事実、今年5月に霜が降りた時もグイヨーの畑より被害が少なかったという。ソアーヴェでは、ブドウ畑の85%ほどがペルゴラである。

 

ソアーヴェの概要

ソアーヴェDOC、ソアーヴェ・クラッシコDOC、ソアーヴェ・スペリオーレDOCG、そして甘口のレチョート・ディ・ソアーヴェDOCG からなる。

<ブドウ品種>

ガルガーネガ:70~100%、トレッビアーノ・ディ・ソアーヴェ:0~30%。ガルガーネガの比率が最低70%であれば、シャルドネやピノ・ブランをブレンドできる。

<土壌>

ヴァルポリチェッラ寄りの西側は海洋性の石灰質。ロンカ辺りの東側は、黒い色で玄武岩がベースの火山性土壌。これらの土壌がソアーヴェの町からモンテフォルテ・ダルポーネの辺りにかけて交わる。おおまかな傾向として、石灰質土壌では、酸がより生き生きとし、花のような含みを持つワインができる。火山性土壌では、エキゾチックな果物の含みを持ち、より肉付きの良いワインとなる。

<ワイン造りのスタイル>

①木樽を使用しないで、果実味が全面に出ているタイプ、②木樽(以前とは異なり大樽やより古い樽)を使用し、豊かでブルゴーニュを思わせるタイプ、③シュール・リーを長期間行うものがある。 (M.Whelehan)

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