経済産業など3省が輸入酒類のトレーサビリティで通達

2014年9月の国税庁通達につづき、経済産業、厚生労働、農林水産の3省が7月4日付けで酒類を流通・販売する28 業界団体向けにトレーサビリティに関する通達を発布した。そのなかで、「ロット番号が削除された輸入酒類が国内で流通している事例が散見されており、こうした事態は消費者の酒類に対する信頼性に疑念を与える可能性があり、望ましくないものと考える」と懸念を表明。「酒類を取り扱う各会員企業に対しても、ロット番号表示に関する意識の醸成に努めていただきたい」と要請した。

これを受けて、2010 年からトレーサビリティに関してイニシアティブをとってきた欧州ビジネス協会(EBC)酒類委員会のジェイムズ・ペイトン委員長は、「(3省が今回の通達を出したことは)重要な前進だ。EU のワイン及びスピリッツ製造者は、EU Directive 89/396/EEC の規定に基づき、消費者保護の観点からロット番号を添付している。我々は今後も、よりよい消費者安全のため、関係省庁、酒類業界団体、そして飲食に関する諸団体とともに、市場をモニターし続ける」とコメント。EBCでは今後、同通達の効果を注視し、もし望まない状況が収まらない場合にはさらに踏み込んだアクションを要請する、としている。

 

ちなみにロット番号がボトルのどの部分に表示してあり、どのように削除されているのかは、別掲を参照していただきたい(画像提供:欧州ビジネス協会(EBC)酒類委員会)。

輸入業者がスコッチウイスキーやシャンパーニュのロット番号を削除する理由は何か。それは、その商品がどういう経路で日本市場に来たのかという履歴を消したいからだろう。もうひとつの可能性は中身の詰め替えで、それを誰がやったか分からなくするためである。しかし、現在の日本市場で詰め替え商品が売られているとは考えにくい。

ロット番号の削除された並行輸入品について考えてみよう。並行品の魅力は正規品より価格が安いことだ。しかし、その商品がどういうルートで日本の店頭に並んだのかが定かでないなら、商品の安全・安心という基準に照らして問題があると思う。そういうリスクを承知でなお、やはり安いものを買うという選択もあるだろうから一概に並行品排除という立場をとるつもりはない。

ただ、この通達は、「(ロット番号削除が)消費者の酒類に対する信頼性に疑念を与える可能性」があるというが、いったん商品の事故が発覚した時、ロット番号がなければ当該商品を的確、迅速に回収できないわけで、これは信頼性の疑念に留まらず、消費者保護の観点でみてもっと大きな問題だといえる。

製造ロット番号削除品

 

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