2019年EUワイン関税撤廃で注目浴びるスペインのバルデペニャス

今年5 月のニールセン調べによると、カスティーリャ・ラ・マンチャ州のワイン、DO バルデペニャスの販売量(スペイン国内スティルワイン小売市場)が前年比4.5%増加したという。

DO バルデペニャスは、2016 年のスペイン国内小売市場シェア12.7%を占める第2 位の産地だが、今年はさらに大きな占有率になるようだ。しかし、料飲市場占有率はそれほど大きくないため、小売市場と料飲市場を併せた総販売量では第4 位(調査したのは70 のDO)に留まっている。

 

日本とEU(欧州連合)のEPA(経済連携協定)交渉が大枠で合意に達し、ボトルワインの関税は2019 年発効時に即時撤廃される予定だ。そのとき、EU 産ワインの中でもっとも大きな恩恵を受ける産地のひとつがDO バルデペニャスではないだろうか。

ボトルワインの現行関税は「輸入CIF 価格の15%または125 円/ ℓのどちらか安い方」である。これはボトル1 本あたり最大約94 円になる。チリワインの例を引くまでもなく関税撤廃はスーパー店頭価格500 円前後のワインに最も大きなアドバンテージとなる。

 

ただ、アルパカをはじめとする動物ラベルのチリワインが売れている理由は安さだけではない。品質の安定したワインを大量に確実に供給できるからだ。EU のワイン産地を見渡して、その基準を満たす産地はいまのところそれほど多くない。その中でDO バルデペニャスは、ブドウ生産量の点でも、近代的に整備されたワイナリーが多いという点でも大いに注目を浴びるだろう。2019 年を見越してすでに準備に入っているインポーターや量販店もいるのではないだろうか。関税撤廃まで2 年もないわけだから。

 

広大なラ・マンチャ平原の南部に位置するDO バルデペニャスは1932 年に原産地呼称が認定された。栽培面積は22,332haと広大だ。周囲を丘陵に囲まれた高台の平地で、バルデペニャスは「石の谷」という意味だ。周囲の丘陵の中には標高1,000mに達する山々もある。乾燥した大陸性気候。一年のうちの80%は快晴。夏の最高気温は40℃に達し、冬は氷点下10℃以下まで冷え込む。年間平均気温は16℃。年間降水量は200~400mm。雨は春の60日~70日に集中しており、嵐のように短時間に降る。

 

主な栽培品種は、白がアイレン、マカベオ、赤はセンシベル(テンプラニーリョ)、ガルナッチャ、カベルネ・ソーヴィニヨン。特にセンシベルを主体にした軽快でフレッシュな赤ワインが多い。また、レセルバやグラン・レセルバのような長く熟成させたタイプのものも造っており、そのコスト・パフォーマンスが高いこともDO バルデペニャスの特徴だ。(K.Bansho)

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