テロワールと畑にこだわるアルタディによるカバ&単一品種の赤3種

アルタディといえば、数年前のリオハDOCaからの離脱が話題を呼んだ。「エル・ピソン」などの単一畑キュヴェで世界的に有名になり、リオハの名声を上げるのに一役買ったワイナリーのひとつだからだ。ちょうどアルタディがリオハ・アラベサで1985年に創業してから30年を経た年のことだった。

2015年の3月に実はスペイン北部を取材して、一部のリオハも訪れた。アルタディではないが、やはり単一畑や単一区画の個性をそのままワイン表現したい若い造り手は増えているようだった。ブルゴーニュのような1級、特級といった畑への格付けを望んでいるが法律としては採用されないため、仲間内でグラン・クリュ構想を計画している造り手もいた。

 

その後もアルタディを指揮するホアン・カルロス・ロペスらの気持ちには全くブレがない。偉大なワインの価値は、常に土地、畑、人と密接にリンクしていなければならないという方針に変わりない。

今回は、本拠地のアラバのArtadi、1996から始めたナバラのプロジェクトArtazu、1999年からのアリカンテのプロジェクトEl Sequéで造る単一品種の赤3種類、それに加えてカバを試飲した。

 

Cava Brut Vintage 2014 / Viura

香りは熟した桃のような丸みも感じられるが、味わいはドライ。キリッとした酸のフレッシュさが後味まで続き、かっちりとした硬い桃やレモンを思わせる。食事とともに飲みたい、ちょっと通向きのカバだろうか。ドザージュについて何も解説がないがノン・ドゼなのだろう。フレッシュでピュアなビウラの表情がそのまま楽しめる。ブドウは標高450〜700mの畑からで、瓶内熟成は24ヶ月。

 

Pasos de San Martîn 2013 Village Wine D.O.Navarra / Garnacha

綺麗なルビー色をしている。香りは上品で、赤い果実やチェリーリキュールなどの香りが生き生きとして、スパイスはほんのりと。味わいも繊細でフレッシュで若々しい。タンニンも細やかでほどよい引き締め役をしている。上品で今すぐ和食や魚料理と美味しそうだが、中間の味わいは充実しているのでしっとりと熟成していきそうだ。2013年はスペインでも涼しかったので、それをそのまま反映している。ナバラでは平年の2倍の雨が降り、すべての進行が遅く収穫は10月第2週になったようだ。畑は標高600m以上にあり樹齢35年以上のガルナッチャを使用している。清々しいガルナッチャだ。

 

Viñas de Gain 2015 Vineyard Selection / Tempranillo

まだ紫色混じりの若々しいルビー色で、香りはまだ閉じ気味ながら、太陽の熱さや焼けたようなニュアンスが感じられる。パリッとハリのあるチェリーを少し焦がしたような印象だ。味わいは丸みやボリュームも感じられて、酸はソフトだがタンニンがとてもしっかりしている。デキャンタして香りを開かせタンニンを和らげるのをお薦めしたい。スミレの砂糖漬けやインクのような香り、スパイスが徐々に出てくる。生き生きとした勢いのある味わい。標高45〜700mの複数の畑のセレクションで、樹齢は20〜30年。

 

El Sequé 2015 D.O. Alicante / Monastrell

とても濃い色で、凝縮した黒い果実に少しリキュールを垂らしたようなニュアンス。太陽の恵みをストレートに感じられる香りで、ほのかなスパイスが心地よいアクセント。ふっくらとしたアタックで、熟度が高い果実だけでなく、フレッシュな酸としっかりとしたタンニンが素晴らしいバランス。タンニンは豊かだが、アグレッシブな要素はなく完熟した美味しいタンニン、というべきだろうか。「ムールヴェードル」と呼ぶ場合にはバンドールなどの堅牢で厳しいタンニンを想像するが、この土地で育つとこれだけ熟すのかと驚く。標高600mの古木の畑だが、これもVillageクラスにあたるようだ。

 

どれも確かに土地柄と品種の特性をそのまま感じさせてくれるワインで、ヴィンテージの個性も反映している。(Y. Nagoshi)

輸入元:BB&R(ベリー・ブラザーズ&ラッド)

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