エル・エステコの単一畑ワイン フィンカ・ノタブレス発売

エル・エステコはアルゼンチン北西部サルタ州を代表するワイナリーだ。輸入元のスマイルがオーガニックワインのクマCuma やドン・ダビなどエル・エステコの人気シリーズを販売している。

 

6 月に醸造責任者アレハンドロ・ペパが来日したのを機に、新たにシングル・ヴィンヤード・シリーズ「フィンカ・ノタブレス」3種を発売した。マルベック、カベルネ・フラン、タナの赤ワイン3 種(いずれも2014 年ヴィンテージ)で、このシリーズにはこのほかにカベルネ・ソーヴィニヨンがあるが、これは未輸入だ。小売価格は2,800 円、驚くほど価格性能比の高いワインである。

 

このワインの産地・カファジャテのあるカルチャキ・ヴァレーはアンデス山脈の東縁にある。かつてブドウの穂木を携えた開拓民がなぜこんなにも険しい渓谷を越えて標高1.700m のアンデスの山間地に入り込んだのか。たぶんそこには先住民アイマラ族の文化が栄えていたからだろう。

カファジャテのブドウ畑はいまでも標高1660m~1800m にあり、近年は標高2000m に向かってブドウ樹が斜面を上っている。

 

カファジャテは先住民の言葉で「水のたっぷり入った箱」という意味で、ここには二本の川が流れている。この川から用水路を引き込んでブドウ栽培が成立している。かつては畝間に水を流し込むフラッド灌漑だけだったが、新しい畑にはドリップ灌漑を導入することも多く、現在は両方の灌漑システムが採用されている。

 

栽培品種の9 割はマルベックで、白ブドウは在来種のトロンテスだ。アレハンドロ・ペパによると、カルチャキ・ヴァレーの土壌は、その成り立ちからカファジャテ系とトロンボン系の二種類に大別できるという。カファジャテ系は石灰質を含む砂状粘土質の表土が約150cm と厚いのが特徴。石灰分、カリウムを含んださらさらした砂状土で、窒素の含有量が非常に少なく痩せている。その下層は火山性の岩石になる。

一方、トロンボン系はもっと標高の高い傾斜地の土壌で、表土はとても薄く火山岩が剥き出したもの。カファジャテにはカルチャキ系とトロンボン系が混在する。

 

新商品フィンカ・ノタブレスは畑の中の最良の区画を選んで造る。2014 年ヴィンテージは、マルベックがラ・コレクシオン畑第9 区画、カベルネ・フランは同じ畑の第5 区画、タナはラス・メルセデス畑の第28 区画が選ばれた。ラ・コレクシオンは醸造所の前の道路を挟んで西側の畑。ラス・メルセデスはラ・コレクションの北側に位置する東向き斜面にある畑。

 

醸造方法は3 品種ともほぼ同じ。ていねいに選別し除梗した果粒をフレンチオークの発酵槽に入れて8℃でプレ・マセレーション。その後、アルコール発酵を26℃~30℃で行い短い発酵後マセレーションへ。これでマセレーションは都合15 日ほどになる。プレスの後、一部はフレンチオーク・バリックに入れてマロラクティック発酵、残りはオーク槽に戻してマロラクティック発酵を済ませ、バリックに入れ約15 か月間の熟成。その後、樽寄せをしてフィルターを通し、ボトリングしてから6 か月のボトル熟成をする。 (K.Bansho)

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