ビジネスとしての創立がイギリス最古のワイナリーが造る白亜質生まれのスパークリングワイン「ハンブルドン」

昨今イングリッシュ・スパークリングワインが話題にのぼることが増えてきた。中でもこの「ハンブルドン」は、商業的なワイナリーとしてイギリス最古と言われている。それだけではなく、この数年で評価が急上昇している。どのような造り手なのだろうか。

 

<ハンブルドンの誕生と再生>

イギリスでブドウ栽培が始まったのはローマ時代だという。今は温暖化によりブドウ栽培の北限が北上していると感じているが、かつてイギリスでは広く栽培されていた時代があった。文献によれば11世紀末までに42以上のブドウ畑が存在していたようだ。ただ、ビジネスとして成り立っていたかどうかは明らかではない。

「ハンブルドン」は、1952年にギィ・サリスバリ=ジョーンズ少将閣下がイギリス南部の中央に位置するハンプシャー州の、サウス・ダウンズにあるハンブルドン村でブドウを植樹したことに始まる。ワイン好きが嵩じてのことだが、つながりの深いシャンパーニュのメゾン、ポル・ロジェからアドバイスを得て慎重に植樹した。1961年からスパークリングワイン造りに取り組み、販売もしていた。しかし、残念なことに90年代半ばには手放すことになってしまった。

ただし1999年に新オーナーが見つかった。イアン・ケレットは、この土地の潜在能力を十分に調査分析した上で、スパークリングワイン造りの再開を決定した。畑は1haあまりに減少していたため、2005年に4haでシャンパーニュ主要3品種を植樹した。台木と苗木の組み合わせは27にもなった。5年ほど経過していけると判断し、今では20haまで自社畑が拡大されている。

すでにご存知の方も多いだろうが、イギリス南部には白亜質土壌がある。「ハンブルドン」によると、パリ盆地の海底でできた白亜後期のチョーク層で、シャンパーニュのコート・デ・ブランにあるチョークと同じだという(同様に、ベレムナイトの化石も含まれている)。大きなアドバンテージのひとつだ。そして、南東向きの斜面を選んで植樹した。

 

<新チーム>

さらに、新オーナーはポル・ロジェにも出向いた。ユベール・ド・ビリーに会い、前オーナーの時のようにアドバイスを求めるためだった。イギリスで唯一といわれるグラヴィティ・フローの設備を整えた新しい醸造所が完成した2011年からは、ユベール・ド・ビリーからの紹介で以前デュヴァル・ルロワのシェフ・ド・カーヴを務めていたエルヴェ・ジェスタンにヘッド・ワインメーカーを依頼することになった。2015年からはフェリックス・ガビヨが常駐のワインメーカーとして勤務している。

新チームを結成してからは、ロンドンの腕利きのワイン商にも意見を求め客観的な視点を聞くなど、抜かりがない。もともとイギリス、あるいはロンドンはシャンパーニュの一大消費地であり、目利きが多い。だから、彼らの厳しい意見を耳に入れ、お墨付きが得られるだけの品質が創り上げられれば、それは世界にも通用する質であると言えるだろう。

 

Hambledon Classic Cuvée NV

シャルドネ40%、ピノ・ノワール29%、ムニエ31%。2014年産95%+2010年のリザーヴワイン5%(94%タンクにて、6%樽にて6ヶ月ほど熟成)。22ヶ月瓶内熟成。ドザージュ7g/l。

フレッシュなリンゴや白い花、蜂蜜、パン生地、柑橘類などの上品な香りで、シャルドネの上品さ、あるいはチョーク質のタイトさが感じられる。味わいも酸がフレッシュでレモン的な涼しげな印象。純粋で綺麗な快活さ、若々しさが感じられ、シャンパーニュ好きに薦めたいタイプ。

Hambledon Classic Cuvée Rosé NV

シャルドネ90%、ピノ・ノワールの赤ワイン10%。2014年産95%+リザーヴワイン5%(シャルドネの4%樽熟成)。14ヶ月瓶内熟成。ドザージュ10g/l。

淡いロゼ色。赤いベリー系果実やチェリーに、ほんのりスパイシーさが加わる香り。味わいはふっくらとしてソフトなタッチ。酸のフレッシュさやほのかなスパイシーさが口に広がりつつ、豊かさが感じられる丸さのある食感。余韻にはチェリー、すもも、柑橘類など多くのフルーツが感じられる。(Y. Nagoshi)

輸入元:BB&R(ベリー・ブラザーズ&ラッド)

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