グローバル事業から地域密着型へ 2017年春MGVsマグヴィスワイナリー創業

MGVsと書いてマグヴィスと読む。Matsuzaka Green Vineyardsを略したものだ。今春、塩山駅から車で10分強の勝沼町等々力にオープンしたワイナリーだ。

 

<半導体事業からワイン事業へ>

 到着したワイナリーはモダンなデザインの建物だった。塩山製作所の半導体製造工場として稼働していたところを、ワイナリーに変えた。デザインはアートディレクターの田子學に託したというだけあり、お洒落だ。

松坂浩志代表取締役は大きな転換について以下のように説明した。

「1958年創業の半導体製造事業を1998年に引き継ぎ社長に就任した。しかし、その前後すでにマレーシアや台湾などとの価格競争に巻き込まれていた。今でも手がけているスマートフォン用カメラのフィルター生産は、ホーチミンで行うことにした。

このような中で2009年にワイナリー事業構想に思い至り、準備を始めることにした。理由はいくつかある。半導体事業はワールドワイドで競争がとても激しい。この地元では反対に、地域性を生かした事業をしたいと考えた。自分の好きなものを手がけたい。思えば実家にはブドウ畑があり明治から共同醸造権をもらいワインを造っていた。そのMARUHA葡萄園も2011年に引き継いだ。

ワイン事業に乗り出すにあたり、品質管理・作業管理・装置管理に関するノウハウは強みになる。例えば、衛生管理のHACCPへ応用できる。半導体製造のためのクリーンルームを醸造設備や瓶詰め室として展開できる。

ただし、栽培や醸造についてのプロ、販売網やブランド力もない。そこで、地元のカリスマ栽培家や経験豊富な醸造のプロを招き入れ、デザインも田子氏へ依頼した」。(Y. Nagoshi)

つづき<日本固有品種へ特化><2016年ヴィンテージ>は、WANDS2017年10月号をご覧下さい。 ウォンズのご購入・ご購読はこちらから デジタル版もできました!

 

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