パイパー・エドシック・シュブリーム(ドゥミ・セック)新発売

パイパー・エドシックのブノワ・コラール社長が来日し、そのマーケティング・プランを説明した。輸入元の日本リカーはこれを機に、ドゥミ・セックの「パイパー・エドシック・シュブリーム」(小売7,000円)を新発売した。

 

<ブノワ・コラール社長の話>

パイパー・エドシックは2016 年4 月から日本リカーが販売している。この間ずっと販売量が伸びている。今年はパイパーだけでなく日本のシャンパーニュ輸入量全体も増えているようだ。

 

パイパー・エドシックには230 年におよぶ長い愛の歴史がある。そして、18 世紀から連綿と続く家族経営のメゾンでもある。始まりはドイツ出身のフローレンス・ルイ・エドシックがシャンパーニュの地でアガト・ペルトワと出会い、シャンパーニュを造ることになったことから。そして1785 年にエドシック社を創業する。

 

その後、フローレンスの甥のクリスチャンがエドシック社に合流して彼らの仕事を引き継いだ。ところが1835 年に突然クリスチャンが他界する。クリスチャンの喪が明けると未亡人はアンリ・ギヨーム・パイパーと再婚した。この時、「パイパー」と「エドシック」という二つの家名が“―”(ハイフォン)でつながれて一つになった。

 

この愛の歴史と二つの家名をつなぐハイフォンを重視して、われわれはマーケティング・プランを練ってきた。テーマは“ダッシュ・オブ・セダクションa dash of seduction” である。ダッシュは二つの家名をつなぐハイフォンのことで、セダクションは魅惑という意味だ。つまり、パイパー・エドシックは赤いダッシュですべての物語をつなぎ、目に見えない不変のマグネットのように運命を誘い、人と人を結びつける。

 

シャンパーニュのグラン・メゾンには若い消費者を開拓する役割があると思う。ことに30 代、40 代の本物を飲みたいと思っている消費者にきちんと応えることが大事だと思う。パイパー・エドシックは1930 年代からいろいろな映画のシーンに登場することでブランド名を知って貰い、つぎつぎと新しい消費者を開拓してきた。たとえば、マリリン・モンローは、「私の一日は一杯のパイパー・エドシックで始まる。だって幸せな気分になれるから」と1953 年に言っている。シャネルNo.5 でやすみ、目覚めたらパイパー・エドシックを飲むというわけだ。

 

また、ながらくカンヌ映画祭のオフィシャル・スポンサーを務めており、オスカー賞とは2020 年までパイパー・エドシックを採用することが決まっている。そのほかにもベルギーのBBQ チャンピオンとバーベキューとロゼ・シャンパーニュを合せる企画がある。また、2015 年ラグビー・ワールドカップやフランス・ラグビー選手権などラグビーとの結びつきも強い。2019 年には日本でラグビーのワールドカップが開催される。

 

ブランドだけでなくワインそのものの品質を語ることも大事だと思う。醸造長のレジス・カミュはパイパー・エドシックのブレンディングの核はピノ・ノワールだと言っている。2000 年代初期に彼は、ブドウの調達先を大幅に増やした。そして、それまであまり使われていなかったコート・デ・バールのピノ・ノワールに着目した。この大胆な選択がその後のパイパー・エドシックの個性を形作ることになったわけだ。

 

1999 年からは優れた品質とポテンシャルがあると認められたワインを毎年、リザーヴワインとして取り置き始めた。これでパイパー・エドシックのノン・ヴィンテージ・シャンパーニュの安定した味わいを保つことが可能になった。今ではノン・ヴィンテージに10 年分以上の異なるヴィンテージのリザーヴワインが使われている。

パイパー・エドシックは、世界100 か国以上で飲まれており、全生産量の85%を輸出している。

 

<キュヴェ・シュブリーム>

フランスでは伝統的にデザートに合せてシャンパーニュを飲んできた。今でもその伝統が残っている。これはドザージュ35g/l なのでドゥミ・セックの中ではドザージュ量の少ないシャンパーニュだ。

モンターニュ・ド・ランスのピノ・ノワール、シャルドネ、ムニエをブレンドしている。ブリュットより2 年長く熟成をすることで、トーストの香りがブリオッシュの香りに変わっている。ほのかな甘さで、疲れている時にホッとするおいしさだ。

ガストロノミーのシャンパーニュとしても有用で、クリーミーなブルーチーズ、フランベしたパイナップルやオレンジ、薄くカラメリゼした洋梨などのデザートに合うとパンフレットには書かれている。しかし、日本ではもっと幅広い合わせ方が可能だ。やや甘めの味付けの多い日本料理にはよくあう。たぶん、おせちとは最高の組み合わせになると思う。(K.Bansho)

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