ニコライホーフが実践するビオディナミ

オーストリアのワイン生産者として、不動の地位を確立しているともいえるニコライホーフは、創業985年という大変長い歴史をもつワイナリーだ。そして、現在のオーナーであるサース家が購入したのは19世紀末になる。ルドルフ・シュタイナーのお膝元オーストリアでも、最も厳格なビオディナミ実践者としても知られるニコライホーフを訪問した。

クリスティーナ・サース夫人に、まず畑から案内してもらった。ここがビオディナミによるぶどう栽培を始めたのは、1971年のことだった。そのきっかけを尋ねると、人智学者の夫妻から結婚祝いで月のカレンダーをプレゼントされたことがきっかけだった、という意外な答えだった。

まず、クラウスベルグ畑に足を運んだ。ドナウ河がすぐ真下に流れているのが見える標高350mに位置し、クレムスタル地区に属している。典型的なプライマリー・ロック(原生岩)土壌で、むき出しの場所を見せてもらうと、岩と岩の間に、柔らかい土があるのがわかる。ぶどうの根は、この部分を探るようにして、下へ下へと伸びていくのだ。ここでは、リースリングのみ栽培している。

「ちょうど、これから1週間ほどで花が咲くでしょう」と、サース夫人。

ぶどうの株元にも畝間にも、様々な草が生えていた。もちろん除草剤は使わない。「草は、土から吸収するものもある反面、土に様々なものを与えてくれます。こういった、草と、昆虫と、鳥、これらが共生している、ということがとても大切」だという。

(Y. Nagoshi)

つづく/これ以降の内容につきましては、「ウォンズ」本誌「9月号」P.17〜の「ニコライホーフが実践するビオディナミ」をご覧下さい。WANDS本誌の購読はこちらから

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