伝統の味わいが現代のおいしさにボデガス・ボルサオ

来年、ボデガス・ボルサオは還暦を迎える。

ボルサオの始まりは1958 年。この年、ボデガス・ボルサオの前身、ボルハ醸造協同組合が創業し、「ボルサオ」の商標でバルクワインの販売に乗り出した。この頃のスペイン経済は混とんとしており、ことに農業分野の生産性は悪化の一途をたどっていた。それで各地の小規模生産者は生き残りをかけて協同組合を組織したのだった。

 

苦境をなんとか乗り切った生産者たちは、1980 年にこの組合組織を基礎にしてD.O.カンポ・デ・ボルハを創設する。その翌年の1981年、ボルハ醸造協同組合が初めてワインをボトルに詰め「ボルサオ」のラベルを貼って売り出した。

それから20 年後の2001年、ボルハ、ポスエロ、タブエンカの醸造協同組合が合弁して新会社「ボデガス・ボルサオ」を設立。“モダン・スパニッシュ”をうたったボルサオは輸出市場で大きな評判を得て今日に至る。そして来年が60 周年の節目に当たるというわけだ。

三つの組合に所属していた375軒の栽培農家のブドウ畑を合計すると、なんと2, 260haという大きな規模になる。栽培品種の内わけはガルナッチャ60%、シラー17%、テンプラニーリョ9%、カベルネ・ソーヴィニヨン9%、その他(マカベオ、シャルドネなど)5%である。

栽培面積の最も多いガルナッチャはアラゴン原産の品種で、アラゴン王国の版図の広がりとともにヨーロッパ各地に伝わり、フランスのローヌやイタリアのサルデーニャでは今でも主要品種になっている。そこではアリカンテ、アラゴネス、カンノナウ、グルナッシュ、ティンティリャ、ウヴァ・ディ・スパニャなどの名前で呼ばれている。さらに近年は、その果実味の豊かさとやさしいタンニン、料理との相性の良さといった品種特性が評価されてニューワールドにも栽培者が増えている。

ガルナッチャは大量生産の時代にたくさん栽培されていたことから多産種とみなされ、その品質をきちんと評価されなかった過去がある。産地によっては引き抜かれて他の品種に植え替えられることもあったが、ガルナッチャ復活再生の動きが生まれ、いまではそれが世界的なうねりになっている。この“ガルナッチャ・リバイバル”の原動力になったのがDOカンポ・デ・ボルハのボルサオである。

(中略)

ボルサオ・トレス・ピコス2014

標高の高い冷涼地で栽培する高樹齢のガルナッチャで造る。濃い色合いで少し紫を帯びている。香りは熟した黒いフルーツにブラックペッパーなどのスパイス、フローラルなニュアンスもある。味わいに複雑さと強さがある。ブラックベリー、プラムなどの果実味に皮革やバニラのトーン。丸くて滑らかなタンニン、きれいな酸味が味わいをきりっと引き締めている。小売価格3,120円。抜群の価格性能比である。

 

 

ボルサオ・セレクション・ティント2015

ガルナッチャ85%、テンプラニーリョ10%、シラー5%。ステンレスタンクで発酵・育成している。樽を使っていないので果実由来の純粋さが味わえる。新鮮な黒いフルーツと胡椒などスパイスの香り。香りのボリュームが大きい。味わいはフレッシュで果実味が活きている。きれいな酸味とほんのりパプリカのニュアンスが口中を引き締める。小売価格1,760円。

 

 

 

ボルサオ・セレクション・ブランコ2015

マカベオとシャルドネをブレンドした白ワイン。マカベオは3 か月の樽育成をしている。フルーツの香りとオイリーでリースリングを思わせる香り、さらに樽由来のバニラやナッツの香りもある。リッチな味わい。きれいな酸味とのバランスがとれている。小売価格1, 760 円。

途中、省略した部分はWANDS 2017年12月号をごらんください。ウォンズのご購入・ご購読はこちらから。デジタル版もできました!

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