注目すべきニュージーランドの冷涼産地ノース・カンタベリーの新星「ブラック・エステイト」

<冷涼な気候と石灰質土壌

ノース・カンタベリーは、ニュージーランド南島の北東部にある。クライストチャーチから車で1時間ほどの冷涼な産地だ。

ブラック・エステイトは1994年にラッセル・ブラックがピノ・ノワールを植樹したことに始まり、ロッド・ナイシュ夫妻が2007年に購入した。今では娘のペネロペが支配人を務め、夫のニコラス・ブラウンが醸造を担当している。ニコラスは、2000年からワイン造りを始め、イタリア、ナパ、オレゴンにて修業して地元に戻ったのは2005年のことだ。

ニコラスが来日した際、土壌や畑について次のように説明した。

「ノース・カンタベリーは土壌が複雑なことも特徴だ。南部は砂利質土壌でフレッシュでしっかりとした酸を備えたワインに、北部は石灰質が豊かでミネラリティ豊かで複雑なワインになる」。この国で石灰質土壌がみられる数少ない産地のひとつだ。

「ブラック・エステイトの畑は北東部の丘にあり、粘土に加えところどころに石灰質もみられる土壌で、ソフトで口当たりのよいテクスチャーが生まれる。春の霜や開花時の天候によって収穫量が少ない地域でもあり、凝縮した複雑なワインになる」。

 

<3つの畑の個性>

ブラック・エステイトでは3ヶ所に畑を所有し、その個性を尊重した介入しない醸造を実践している。畑からの自然酵母を毎年培養し、亜硫酸添加も最小限に抑え、濾過も清澄も行わない。それぞれの畑は、以下のような特徴を備えている。

ホームヴィンヤード:1994年にラッセル&キミコ・ブラック夫妻が植樹した畑。北東向き斜面で粘土が豊かな土壌。「ソフトで官能的な、しかしミネラリティもあるワインになる」。初リリースの2000年から注目を浴び、すぐニュージーランドTOP10に。

ダムスティープヴィンヤード:1999年に植樹された畑を2008年と2010年に購入。石灰質土壌。灌漑なし。向きは様々で、丘の上方はピノ・ノワール、下方はリースリング。2012年から有機栽培&ビオディナミ。「豊かさとシルキーなテクスチャー、そしてしっかりとした酸を備えたワインに」。

ネザーウッドヴィンヤード:1996年にダニエル・ショスターとラッセル・ブラックが植樹。ノース・カンタベリーで丘の斜面での植樹はここが初。灌漑なし。土壌は砂岩。有機栽培の認証取得。「手がかかるチャレンジングな畑だが、ユニークなワインができる」。2012年に単一畑キュヴェ初リリース。

小さなワイナリーが点在するノース・カンタベリーは、特にピノ・ノワールが評判で畑が増えている。今後さらに注目を集めることになるだろう。

 

Black Estate Pinot Noir 2014 「官能的なピノ・ノワール。収穫量が少なく凝縮している。アルコール度数が高くなりすぎないよう、できるだけ優しい味わいに仕上げたいと心がけている」。15%ホールバンチで28日醗酵。手足で1日1回ピジャージュ。小さなバスケットプレスにて圧搾。古いフレンチオークの小樽で熟成。優しい香り。鞣し革と少しドライなラズベリー。熟した果実の香りだが重くはない。なめらかなアタックで確かに官能的。タンニンはソフト。きめの細やかな優しいテクスチャー。

Damsteep Pinot Noir 2014 「熟成とともにシルキーになる」。100%除梗しホールベリーで醗酵。硬い香りだがスパイスや黒い果実も。上品で酸がしっかりとして果実とのバランスが秀逸。タンニンは細やかで丸みがあるが豊か。テンションのある味わい。

Netherwood Pinot Noir 2014 「ダニエル・ショスターが特徴的なピノ・ノワールを造っていた」。2014年初リリース。少々全房醗酵。少し閉じているが鞣し革、ラズベリー、スパイスの複雑な香り。若々しくテクスチャーが特別。酸もフレッシュでタンニンがとても細やかでより豊か。余韻が長い。(Y. Nagoshi)

トップ画像:ペネロペとニコラス

輸入元:ラック・コーポレーション

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