Chilean Coastal Pinot Noir緑色片岩のミネラリティ エラスリス・アコンカグア・コースタ・ピノ・ノワール2016

エラスリスはDOアコンカグア・コスタのパイオニアだ。アコンカグア川の下流エル・マンサナール村近く、沿岸山地の只中の手付かずの土地860haを購入し、2005年から2009年にかけて113haにブドウ樹を植えた。海から12kmの距離。幾つもの丘陵が折り重なった地形で、谷筋の灌木は開墾前の状態をそのまま維持している。

 

濃い朝霧と冷たい海風がこの畑の特徴のひとつなので、日照条件の良い斜面を選びながらブドウ樹を植えている。年間降水量は276mmでブドウ樹には灌漑が必要だ。東端の高地に人工池を造り冬の雨水を確保し、ドリップ灌漑水に充てている。

 

DOアコンカグア・コスタの自慢のひとつは土壌の多様さだ。沿岸山地の成り立ちは古く表土は崩積土で覆われている。斜面の上部は表土が薄く片岩(シスト)や粘板岩(スレート)の剥きだした箇所がある。斜面を下るにしたがい表土が厚くなる。エラスリスは粘板岩の区画に植えたピノ・ノワールだけでプレミアムレンジの「ラス・ピサラ」を造る。ピサラは粘板岩のことだ。

 

ブドウは手摘みで選果台を二度通し除梗してステンレスの開放タンクへ。65%は3~6日の発酵前醸し。自然酵母で発酵。キュヴェゾンは12~20日間。育成はフレンチオーク・バリックで11か月(新樽15%)、10%はコンクリートエッグを使う。

<新進気鋭の岩田渉ソムリエがアコンカグア・コスタを利く>

外観は輝きのあるダークチェリー・レッド。艶やかで透明感あふれ魅力的。香りの第一印象はチャーミングで、皮のピンと張ったもぎたての赤い果実(クランベリー、ラズベリー)の明るいトーンに、オレンジの皮やジンジャー・パウダーなどのスパイスが奥行きを与える。驚くほど控えめな樽の風味が全体と融合し、香りに複雑味を与え、スワリングすると海藻のヨード香が現れる。

凝縮感溢れる果実のボリュームをしっかり感じるアタック、抑制されたアルコールが調和する。伸びやかで持続的な酸味がジューシーな赤い果実のフレーバーとともに口中に広がり心地良く親しみやすい。洗練されたきめ細かいタンニンが柔らかい食感を生む。余韻は伸びやかな酸のおかげで長く、程よい苦味がアクセントとなり締りを与える。清涼感あるピノ・ノワールだ。

提供温度は16℃、中庸のバルーン型グラスで。デキャンタージュせず、抜栓直後から十分に楽しめる。

相性のよい料理は、①サーモンをこんがりとソテーし、クランベリー等で香りづけした赤ワインソースとともに。②和牛モモ肉のタタキ、黒七味でアクセントをつけ醤油を添えて。

輸入元:株式会社ヴァンパッシオン

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