VéritéとCardinale 2014新ヴィンテージを利く

ジャクソン・ファミリー・ワインズは、カリフォルニアにおける傘下ワイナリー、Vérité とCardinale それぞれの2014年新ヴィンテージのリリースにあたり、アンダーズ東京でオールドヴィンテージとの比較試飲を兼ねたマスタークラスを開催した。

この2つのカルトワインは2016年秋から国際市場ではボルドーのネゴシアンを通しての流通となり、日本でも数社の輸入元を通して販売されている。ロンドンでは新ヴィテージの披露が毎年行われているが、アジアでの開催は今回が初めて。当日の司会を務めたのは葉山考太郎氏。パネリストとしてJFW のインターナショナルアンバサダーを務めるディミトリ・メスナーMS、アジア・ヨーロッパ・中東担当副社長ジェームス・トゥーキー、ワインジャーナリストの山本昭彦の3氏が解説を行った。

 

ソノマの“土の権利”を表現するVérité

Vérité(ヴェリテ)はフランス語で“真実”を意味し、ケンダル・ジャクソンの故ジェス・ジャクソンとフランス人醸造家ピエール・セイヤンとのパートナーシップで1998年に誕生したソノマのワイナリー。栽培醸造家としてのピエールは自らのワイン造りの手法を“droit du Sol(土地の権利)”と呼んでいるが、それは、①ソノマの多様な土壌や気候条件に着目し、アレクサンダー・ヴァレー、ベネット・ヴァレー、チョーク・ヒル、ナイツ・ヴァレーにある40以上の小区画のぶどうを個別に仕込んでブレンド、②ボルドー品種に特化、③シャンパーニュのプレスティジ・キュヴェのようにトップ・キュヴェだけを使う、という3つの基本コンセプトに支えられているという。

ヴェリテでは、3つの異なるワインを造っている。メルロ主体のLa Muse、カベルネ・ソーヴィニヨン主体のLa Joie、そしてカベルネ・フラン主体のLe Désir だ。

この日、試飲に供されたのはそれぞれ2014年産と2008年産のワイン。2014年は近年のカリフォルニアではベストヴィンテージのひとつ。「ピエールによると、2014は“完ぺきなヴィンテージ”。2008年も良いヴィンテージで、人気の高い2007 年産の陰に隠れているが、味わいはヨーロピアン・スタイルで、長期熟成のポテンシャルはむしろ2007年産より高い」と、メスナーMS。

(中略)

Cardinale垂直試飲が証明するナパ産カベルネの進化の足跡

Cardinaleは1982年、ノース・コーストで最高のカベルネ・ソーヴィニヨンを造るというヴィジョンの下に誕生した。1990年代まではナパとソノマの最良のぶどう畑のぶどうを使っていたが、2001年以降は100%ナパ・ヴァレー産のぶどうに特化。特に2005年以降は、マウント・ヴィーダー、スプリング・マウンテン、ハウエル・マウンテン、ダイアモンド・マウンテンなど丘陵地のぶどうが加わり、メルロとのブレンドと相まって味わいに複雑味が増している。

2001年から3代目のワインメーカーとして醸造を担っているのはクリストファー・カーペンター。「ヴェリテがフレンチスタイルのワインだとすれば、カーディナルはアメリカンスタイルのカベルネ。しかし、それぞれの畑の個性を反映すべく、5年前からオプティカル・ソーターを導入し、より洗練されたワインに仕上げられている」とトゥーキー氏。

カーディナルの生産量は1000~2000ケースと極めて少ない。この日、垂直試飲に供されたワインも2014 ヴィンテージ以外はバーバラ・ビアンキのプライベートセラーから提供されたものだという。

つづきはWANDS 2018年1月号をご覧下さい。 ウォンズのご購入・ご購読はこちらから デジタル版もできました!

トップ画像:ディミトリ・メスナーMS(左)とジェイムス・トゥーキー氏

WANDSメルマガ登録

関連記事

ページ上部へ戻る