オートクチュールのシャンパーニュ「デュヴァル=ルロワ」×ワインテイスター 大越基裕

デュヴァル=ルロワは1859年に設立された家族経営のメゾンだ。シャンパーニュ商人のアルマン・ルロワと、ブドウ栽培を生業としていたデュヴァル家がともにコート・デ・ブランの南、ヴェルテュで始めた。1991年にキャロルが6代目当主に就任し、息子のジュリアン、シャルル、ルイが家業を継ぐべくキャロルとともにメゾンを守っている。たくさんのラインナップがあり個性豊かだ。「先進的な試みをしようと思ったらすぐ実践できるのも結束が固い家族経営のおかげ」だとキャロルは熱く語った。

 

 

<ベジタリアン・シャンパーニュ>

ジュリアンは自社シャンパーニュを「ベジタリアンだ」と表現する。全てのベースワインの清澄に動物性食品(カゼイン、ゼラチン、卵白など)を一切使わずタンクや樽内で通常よりも数ヶ月長く静置することで清澄している。濁り一つないクリアな外観で、清澄剤を使わないことによりかえってアロマが複雑に、そして泡もキメが細かくなる。キャロルのシャンパーニュに対する考え方は「食事に合わせてずっと飲んでもらうもの。泡が食事の妨げになってはいけない」。まさにキャロルの目指すテクスチャーを生み出すことに成功している。

 

2017年の収穫状況>

すでにCIVCから発表されているように2017年は決して優しい年ではなかった。デュヴァル=ルロワも例外ではない。春先の霜害によって9月の実りは少なく、7月中旬からの雨があり、黒ブドウの質に関しては正直悲観的だ。ただ比較的広い200haの自社畑があるため、それなりの量は確保できるだろうという。

 

<上品で洗練された味わい、軽やかな口当たり、個性の存在>

以下のテイスティングコメントは日本トップクラスのワインテイスターであり、フードペアリングの第一人者でもある大越氏による。2種ずつ比較しながら解説した。

 

フラグシップのスタイル

Fleur de Champagne Brut Premier Cru  Dosage 8g/L、Chardonnay70%、Pinot Noir30%「フルール(仏語で花の意)というように、非常に華やかな印象を与える。柑橘類の香りがメインで、ここにかすかなパン・ド・ミの香りが加わり繊細にうまくまとまっている。フレッシュで伸びのある酸味と中盤に感じる塩気が全体的にタイトな印象を与える。イースト由来の風味は控えめなので柑橘香に同調させたフレッシュな料理と合わせたい。冷製の貝類にライムを絞ってマリネにし、パクチーやパセリなどのハーブを入れたアジアン系の料理にも合いそうだ。」

Rosé Brut Prestige Premier Cru Dosage 10g/L、Chardonnay30%、Pinot Noir70%「セニエ法で醸したロゼワインに、バランスを取るためにシャルドネベースの白ワインをブレンドして造っている。故に非常に繊細なスタイルとなっているが黒ブドウ由来の複雑さも共存する。チェリーや紅茶、パン・グリエの香り。こちらもしっかりとした酸味が現れ、アフターフレーバーにピュアな果実感とスパイシーさを感じる。若干多めのDosageにより柔らかいテクスチャーとクリーミーさが強調されているのでトマトムースなど柔らかいタッチの料理とあわせたい。さらに黒ブドウ由来の複雑さはウニのような風味の強い食材にも合う。」(Rie Matsuki)

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